神性[語句情報] » 神性

「神性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「薄明」より 著者:太宰治
みしていると、またも頭の真上から火の雨。へんな言い方だが、生きている人間には何か神性の一かけらでもあるのか、私たちばかりではなく、その畑に逃げて来ている人たち全....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の体内に柔と剛は戦い、 寒は暖と、軽は重と争いぬ。 ただ、物の善き本性と 一つの神性とによりてこの醗酵は止みぬ。（注二） 陸と海、地と蒼穹とは分たれ、 輝くエー....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
敬虔な気品があって、また、それに暈とした乳白色の濁りがあるところは、奥底知れない神性の啓示でもあろうか。醜い死面の陰影は、それがために端正な相に軟げられ、実に何....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
込んで行って、一の宮宮司としての半蔵がどれほどの耳を傾ける里人を集め、どれほどの神性を明らかにし得たろう。愚かに生まれついた彼のようなものでも、神に召され、高地....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
して居るまでである。われ等の神と、彼等の神とは、そこに寸毫の相違もない。ただその神性が、一層よく発揮されて居る丈である。兎に角理性が最後の審判者である。理性を排....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
生い立て。 世のあらゆる悲哀を甞めて、 息の喘ぎ、病苦、あふるる涙、 その聖なる神性によりて後光を放ち、 蒼白のおもて永遠に輝く。 かくして君が大理石の額の上に....
「雑記（Ⅰ）」より 著者:寺田寅彦
れない。それがどういう感情であるかと問われると私にも分らないが、しかし例えばある神性と同時にある狂暴性を具えた半神半獣的のビーイングの歓喜の表現だと思って見ると....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
ろしいですとも、先方は大喜びですよ。教団のパンフレットには、まず大巻先生が教祖の神性を認めた、ということをチャンと書いているんですからね。歓迎しますぜ。川野先生....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
くさえなる。向ヶ丘遊園地で見た母猿の如きはその目や、眉や、頬のあたりに柔和な、精神性のひらめきさえ漂うているような気がした。 母親の抱擁、頬ずり、キッス、頭髪....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
卿と碩寿翁とが、この時到着したのであった。 超人には常人などの、及びもつかない神性がある。駕籠に乗って歩かせていたばかりで、碩寿翁ほどの人物を、目的の長崎へや....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は狡猾とさえ思われた。 泡鳴はいつも物質に惑溺していて、その惑溺のうちに恋愛と神性とを求めていた。彼は暫くも傍観者として立ってはいられなかった。人生に対する観....
「光は影を」より 著者:岸田国士
かに、それぞれの流れを形づくつています。僕は悪を憎みます。しかし、美徳は必ずしも神性からのみ生れるものではありません。図太さも、たくらみも、善意の戦いに欠いでは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
なかったのである。 彼は宮廷の美人たちとの、危険な戯れに時を過ごす、と思うと、神性とはなんであるかについて何時間も沈思するために、冷たい聖ポウル寺院に出かけて....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ところのおぎろなき物、この霊妙音は何から来る。おそろしい截断刃はただ廻っている。神性の惨虐、虚無。 私は息を呑んだ。 丸太はまた、次から次から流れて来る。菜....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ゆる悲惨から脱却するに相違ない。 （一八一〇年、ベッティーナに） ※神性へ近づいて、その輝きを人類の上に拡げる仕事以上に美しいことは何もない。 ....