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神棚
「神棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
話に向っていた店員が、こう賢造の方へ声をかけた。店員はほかにも四五人、金庫の前や
神棚の下に、主人を送り出すと云うよりは、むしろ主人の出て行くのを待ちでもするよう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。 「ひと足ちがいで失礼するところでした。さあ、どうぞ」 老人はその熊手を
神棚にうやうやしく飾って、それからいつもの六畳の座敷へわたしを通した。酉の市《ま....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
どりが腕をふるった御馳走が、所も狭いほど並べられてあった。 長造が席につくと、
神棚にパッと灯明がついて、皆が「お芽出とうございます」「お父さん、お芽出とう」と....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
よりやや落着いて、冷水摩擦を始めていたら空襲警報となる。身心をすがすがしくして、
神棚を仰いで祈念す。徹郎君を始め、富藤順大尉、武田光雄大尉等の武運長久を祈願す。....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
分小作人の面倒を見ていますからね。」 杉浦君は先日会った時、室のあちこちにある
神棚のあかりを手際よく静かに団扇で消して、その農民との関係を詳しく話してくれた。....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、拙な山水画の裡の隠者めいた老人までが、確か自分を知っている。 心着けば、正面
神棚の下には、我が姿、昨夜も扮した、劇中|女主人公の王妃なる、玉の鳳凰のごときが....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ざいます。 その平扁味な処が、恰好よく乗りますから、二つかさねて、お持仏なり、
神棚へなり、お祭りになりますと、子の無い方が、いや、もう、年子にお出来なさります....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
気続きで、まず結構でござりやすよ。」と何もない、煤けた天井を仰ぎ仰ぎ、帳場の上の
神棚へ目を外らす。 「お師匠さん、」 女房前垂をちょっと撫でて、 「お銚子でご....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ず、わざわざ下総の成田山に参詣して護摩を焚いてもらった。ありがたい守符のたぐいが
神棚や仏壇に積み重ねられた。 九月二十三日に淀橋からお妻の使が来て、おっ母さん....
「錦紗」より 著者:犬田卯
てたのであった。 すると籠屋は煙管を措き、茶を一杯ぐっと傾けて、さて、表座敷の
神棚から一冊の手垢に汚れた和本を下ろして来て、無雑作にたずねはじめた。 「昨日の....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
半七の家。ここは茶の間で、小綺麗に片附けられ、拭き込んだ長火鉢や、燈明のかがやく
神棚などがある。庭には小さい池がある。壁には子分等の名前をかきたる紙を貼り附け、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
お出迎え、という隙もありゃしますまい。古火鉢と、大きな細工盤とで劃って、うしろに
神棚を祀った仕事場に、しかけた仕事の鉄鎚を持ったまま、鏨を圧えて、平伏をなさると....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
が国の寺院に永代読経の掲示あるがごとし。 英国にて宗教信者の家を見るに、内仏、
神棚のごときものはさらに安置せず。ゆえに、朝夕礼拝を行うことなし。ただ国教宗の家....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
た。 庄屋の長左衛門も初めて事情が解ったので、早速太郎右衛門のところへ行って、
神棚に入れて置いた書物を出させ、太郎右衛門と朝太郎を同道して、代官様の前に表われ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
想像では緋の袴でも穿いた巫女のような女でもいるのかと思っていましたら、大違いで
神棚などはどこにもなく、ただ普通の座敷に普通の服装の婦人が髪を七三に分けて端然と....