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神泉苑
「神泉苑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神泉苑の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
る花曇りの日の昼中《ひるなか》だったかと存じますが、何か用足しに出ました帰りに、
神泉苑《しんせんえん》の外を通りかかりますと、あすこの築土《ついじ》を前にして、....
「竜」より 著者:芥川竜之介
札も誰かの悪戯《いたずら》であろう。』など申すものもございましたが、折から京では
神泉苑《しんせんえん》の竜が天上致したなどと申す評判もございましたので、そう云う....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《ふつつか》ながらこの玉藻に雨乞いの祈祷をお許しくださりませぬか」 小野小町は
神泉苑《しんせんえん》で雨を祈った。自分に誠の心があらば神も仏もかならず納受《の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
それについて珍譚がある。定家卿の『明月記』建仁二年五月四日の条に「〈近日しきりに
神泉苑に幸《みゆき》す、その中|※猟《ていりょう》致さるるの間、生ける猪を取るな....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
に、―― 聞くものは耳を澄まして袖を合せたのである。 ――有験の高僧貴僧百人、
神泉苑の池にて、仁王経を講じ奉らば、八大竜王も慈現納受たれ給うべし、と申しければ....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
子供の帰りを案じる子煩悩の父親のように長屋の門で夕月の出るまで待ち暮らしてから、
神泉苑の辻へ行っておろおろと東西をながめ、また長屋まで駆け戻って、もしや帰ってい....
「澪標」より 著者:外村繁
。彼等は消極的に見えるが、その生活力はかなり執拗である。 しかし私の下宿からは
神泉苑も近かった。
神泉苑は当時既に池には水もなく、埃っぽい小庭園に過ぎなかったが....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
子の不知哉丸も、成人しているであろうに。 思いつつも、尼の母子は、洛内|壬生の
神泉苑のほとりに水入らずな世帯をもち、覚一は以前の琵琶の師の許へ。また尼は、姉の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る思いにくるまれ、さらにべつな庭では、准后三位ノ廉子にも謁した。 そして帰路、
神泉苑の御所に大塔ノ宮をおたずねして、そこでは御酒をたまわり、すべてこの一日は、....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
年前の過去へと、想像のヒルムを逆回転させると、平安朝ごろにも盛んだった加茂競馬や
神泉苑の競べ馬を、今に観ることはむずかしくはない。 人間は人間、馬は馬、太陽は....
「天皇と競馬」より 著者:吉川英治
わけて、平安期の末期には、年表にも「天皇、皇后、競馬を覧給ふ」の項が随所に多い。
神泉苑の競馬、仁和寺の競馬、加茂の競馬、時には、公卿の邸地でも、都の大路でも、臨....