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神秘
「神秘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神秘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
に油っ手を拭《ふ》き、腰ぬけのお鳥の嫉妬は勿論、彼女自身の嫉妬にもやはりこう云う
神秘な力が働いていることを考えたりしていた。
「まあ、お母さん、どうしたんです?....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《デウス》を念じながら、一心に顔をそむけようとした。が、やはり彼の体は、どう云う
神秘な呪《のろい》の力か、身動きさえ楽には出来なかった。
その内に突然沈黙が、....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
っている。そうして、同じく市《まち》の中を流れるにしても、なお「海」という大きな
神秘と、絶えず直接の交通を続けているためか、川と川とをつなぐ掘割の水のように暗く....
「路上」より 著者:芥川竜之介
マンほど悪甘い刺戟に脅《おびや》かされないで、ともかくも快よくチャイコウスキイの
神秘な世界に安住出来るのを喜んだ。が、大井はやはり退屈らしく、後頭部を椅子の背に....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。松は水の上まで枝垂《しだ》れた枝を、鉄網のように纏《から》め合せて、林の奥の
神秘な世界を、執念《しゅうね》く人目《ひとめ》から隠していた。それでも時たまその....
「少年」より 著者:芥川竜之介
はなおさら一つも知らなかった。が、日の光りに煙《けむ》った海の何か妙にもの悲しい
神秘を感じさせたのは事実である。彼は海へ張り出した葭簾張《よしずば》りの茶屋の手....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
さえ、長所の一つに数えられるのである。しかもあのクレオパトラは豪奢《ごうしゃ》と
神秘とに充《み》ち満《み》ちたエジプトの最後の女王ではないか? 香の煙の立ち昇る....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ん。私は、それより二三の権威ある実例によって、出来るだけ手短《てみじか》に、この
神秘の事実の性質を御説明申したいと思います。まず Dr. Werner の与えて....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
がら、巧みに信用を恢復《かいふく》した。それは医学を超越《ちょうえつ》する自然の
神秘を力説したのである。つまり博士自身の信用の代りに医学の信用を抛棄《ほうき》し....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ces の話になると、氏は必ずもの悲しそうに頭とパイプとを一しょに振りながら、「
神秘の扉《とびら》は俗人の思うほど、開《ひら》き難いものではない。むしろその恐し....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
うに、無線電信や飛行機がいかに自然を征服したと云っても、その自然の奥に潜んでいる
神秘な世界の地図までも、引く事が出来たと云う次第ではありません。それならどうして....
「或る女」より 著者:有島武郎
「それにしてもどうしてあなたはここを……倉地から手紙でも行きましたか」
岡は
神秘的にほほえんで葉子を顧みながら「いゝえ」といった。
「そりゃおかしい事……そ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る眼、その歪める頭脳は、到底われ等の侶伴たるに適しない。彼等には、他界との交通の
神秘を会得すべき心の深みがない。少数の科学者中には、われ等の提示する現象的方面に....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕を嘲る何ものかを感じずにはいられなかった。何ものかを?――しかし僕の物質主義は
神秘主義を拒絶せずにはいられなかった。僕はつい二三箇月前にも或小さい同人雑誌にこ....
「墓」より 著者:秋田滋
、そのひとは身も心もそッくりあなたに捧げ、世間の人が「恋」と云っている、ああした
神秘的な関係をあなたと結んでいるのです。そのひとの眼、愛情がそのなかで微笑ってい....