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「神童〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神童の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ロマネスク」より 著者:太宰治
っと軽はずみな、ひともうけしようという下心からであったかも知れぬ。 幼いころの神童は、二三年してようやく邪道におちた。いつしか太郎は、村のひとたちからなまけも....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
・グローチゥスはオランダの人で、一五八三年に生れた。幼時から穎悟《えいご》絶倫、神童と称せられ、九歳の時ラテン話で詩を作って、人々を驚嘆せしめ、十一歳にしてレイ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
みたりすることが出来たので、四歳の時から本に親しんだ。彼が、天才あつかいにされ、神童呼ばわりにされたのも、私の恩恵であったのに、私はそのため随分ひけ目を感じてし....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ルは子供を観察したのだった。そしてある輝かしい思いが彼の頭に浮かんだのである。「神童だ!……どうして今まで気づかなかったんだろう。……家にとってはこの上もない仕....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
商人のを小僧と言い、廷臣のを扈従《こじゅう》と言い、国王のを皇太子と言い、神のを神童というんだ。」 その間レーグルは考え込んでいた。彼は半ば口の中で言った。 ....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
の神父であつた。 四郎は八ツの年に二官の店に丁稚奉公にあがつたが、彼はいはゆる神童で、この界隈では四五歳の四郎の筆蹟を額におさめて珍蔵する家もすくなからぬ程だ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
クラリネットを選んで、それをふいた。それからコルネをふいた。 「いやあ、この子は神童だ」とエピナッソー氏はおどり上がって喜んだ。「おまえさん、わたしの所にいれば....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
って美しかったからさ。 友よ、全くこの国には、人間界の生き物というより、天界の神童と云ったような、美にして気高い少年が、往々にしてあるのだよ。 勿論同じよう....
良夜」より 著者:饗庭篁村
その事を吹聴さるるに予も嬉しき事に思い、ますます学問に身を入れしゆえ、九歳の時に神童と言われ、十三の年に小学校の助教となれり。父の名誉、伯父の面目、予のためには....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
師たちは、追放のバテレン(神父)ママコスの予言というのを用いた。五五〇年、日域に神童現れ、習わざるに諸学に通じている。そのとき海に山に白旗なびき、神の世となるで....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
柳町に生れ、十歳の時には芝の烏森《からすもり》校から、巴《ともえ》小学校に移り、神童の称があったという。十三歳に府立二中に入学したが、学科はそっちのけで、『太平....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
三度入選しました。 関野聖雲君、神奈川県の人、小供の時から物を彫ることが好きで神童のようにいわれていたのを県の書記官の秦氏に見出され、その人から博物館長の股野....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
る。(この咄は桜木町時代に鴎外自身の口から直接に聴いたのである。) 鴎外は幼時神童といわれたそうだ。虚実は知らぬが、「十ウで神童、ハタチで才子、二十以上はタダ....
梅雨晴」より 著者:永井荷風
た宿儒|篁村《こうそん》先生の次男で、われわれとは小学校からの友である。翰は一時神童といわれていた。われわれが漢文の教科書として『文章軌範』を読んでいた頃、翰は....
文明教育論」より 著者:福沢諭吉
、世の毀誉《きよ》もまた、これにしたがい、よく難字を解しよく字を書くものを視て、神童なり学者なりとして称賛するがゆえに、教師たる者も、たとえ心中ひそかにこの趣を....