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「神経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
》の下に折鞄《おりかばん》を抱えた重吉は玄関前の踏み石を歩きながら、こういう彼の神経を怪まない訣《わけ》には行かなかった。 玄鶴は「離れ」に床をとり、横になっ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。そうして、この行為の上では全く反対に思われる二つの結果が、実は同じ原因――同じ神経作用から来ているという事実にも、もちろん彼はとうから気がついていた。 「しか....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、しかも膝のあたりにはちゃんと扇面を控えていた。ただ、咄嗟《とっさ》の際にも私の神経を刺戟したのは、彼の左の手の指が一本欠けている事だった。私はふとそれに気がつ....
十円札」より 著者:芥川竜之介
ろう。けれども苦痛そのものは窮民も彼も同じことである。いや、むしろ窮民よりも鋭い神経を持っている彼は一層《いっそう》の苦痛をなめなければならぬ。窮民は、――必ず....
」より 著者:芥川竜之介
汽車に間《ま》に合うまい。――じゃ頼むよ。――何? 医者に来て貰った?――それは神経衰弱に違いないさ。よろしい。さようなら。」 陳は受話器を元の位置に戻すと、....
河童」より 著者:芥川竜之介
きょく》にトックに話しました。 「そうか。じゃやめにしよう。なにしろクラバックは神経衰弱だからね。……僕もこの二三週間は眠られないのに弱っているのだ。」 「どう....
」より 著者:芥川竜之介
の葉はまた全体も揺《ゆ》らぎながら、細《こま》かに裂《さ》けた葉の先々をほとんど神経的に震《ふる》わせていた。それは実際近代的なもの哀れを帯びたものに違いなかっ....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
のり》のしないのを、無理にペンだけ動かしつづけた。けれども多加志の泣き声はとかく神経にさわり勝ちだった。のみならず多加志が泣きやんだと思うと、今度は二つ年上の比....
仙人」より 著者:芥川竜之介
て、こんな事さえ云った。が、道士の無口な事は、前と一向、変りがない。それが、李の神経には、前よりも一層、甚しくなったように思われた。(先生、己《おれ》の云った事....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しい。わたしは或批評家の代表する一団の天才に敬服した余り、どうも多少ふだんよりも神経質になったようであります。同上 再追加広告 前掲の追加広告中、「....
出帆」より 著者:芥川竜之介
それから、胃がしくしく、痛む。とうてい彼のしゃべる英語を、いちいち理解するほど、神経を緊張する気になれない。 そのうちに、船が動きだした。それも、はなはだ、緩....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
たと云う程接しもしないが、兎に角まあ接して見ると、肚の底は見かけよりも、遥に細い神経のある、優しい人のような気がして来た。勿論今後猶接して見たら、又この意見も変....
近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
なければなるまい。 近藤君に始めて会ったのは、丁度去年の今頃である。君はその時神経衰弱とか号して甚意気が昂らなかった。が、殆丸太のような桜のステッキをついてい....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
島木さんは後ろ向きに坐ったまま、ワイシャツの裾をまくり上げ、医学博士の斎藤さんに神経痛の注射をして貰った。(島木さんは背広を着ていたからである。)二度目の注射は....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
え失せてしまった孤独な生活の最後に襲って来る瓦解をよく語っている。この手記は鋭い神経をもつ人や感じやすい者のみに解るような悲惨な最後の理由を述べ尽しているのであ....