神経質[語句情報] » 神経質

「神経質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神経質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
つもこの藤田大佐である。大佐はやっと四十くらいであろう。色の浅黒い、肉の落ちた、神経質らしい顔をしている。保吉は大佐よりも一足《ひとあし》あとに薄暗い廊下《ろう....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しい。わたしは或批評家の代表する一団の天才に敬服した余り、どうも多少ふだんよりも神経質になったようであります。同上 再追加広告 前掲の追加広告中、「....
手紙」より 著者:芥川竜之介
、――S君の身もとを調べる気もちにある可笑《おか》しさを感じました。 「Sさんは神経質でいらっしゃるでしょう?」 「ええ、まあ神経質と云うのでしょう。」 「人ず....
或る女」より 著者:有島武郎
れた。葉子は「さあ来い」と胸の中で身構えをしていた。五十川女史のそばにすわって、神経質らしく眉《まゆ》をきらめかす中老の官吏は、射るようないまいましげな眼光を時....
或る女」より 著者:有島武郎
節されて、そこには葉子自身が期待もしなかったような廃頽的《はいたいてき》な同時に神経質的なすごくも美しい一つの顔面が創造されていた。有り合わせのものの中からでき....
片信」より 著者:有島武郎
悦《よろこ》ばしい気持ちでいることができる。僕は今不眠症にも犯されていず、特別に神経質にもなっていない。これだけは自分に満足ができる。 ただし蟄眠期を終わった....
星座」より 著者:有島武郎
して鏡に向うようなことのあるたびごとに、園は自分の顔にそれが現われではしないかと神経質に注意した。年のせいか園にはなかった。しかし兄には明かにそれが出ていた。そ....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
私が今まで接した日本人で一番感心した顔は死んだ岸田劉生氏であるが、そのあまりにも神経質な言行は、せつかく大陸的に出来上つた容貌の価値を損ずるようでいかにも惜しく....
階段」より 著者:海野十三
の白いせいか大理石の墓碑のように、すっきりした青年理学士で、物静かな半面に多分の神経質がひそんでいるのが一と目で看守せられた。僕よりは四歳上の丁度三十歳で、友江....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、皆防空壕に入れといったり、町をあるいていると叱りつけたり、こんな小さな町がそう神経質にならずともと私は思ったが、誰の心理も自分のところが狙われているのだと信ず....
怪星ガン」より 著者:海野十三
テッド隊長は、副隊長のロバート大佐をしたがえて出迎えた。そのうしろにポオ助教授の神経質な顔と帆村荘六の面白い顔とがのぞいていた。 「わしがギンネコ号の艇長だ、テ....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
さや味はその作品とは何の関係もない。私はあの春風駘蕩たる彼の貴重な顔を眺めながら神経質な彼の作品を思い出したことは一度もない。 だいたい彼の顔はあまり評判のい....
迷信解」より 著者:井上円了
お薄暗きようなる場所がある。かかる室はなんとなく薄気味の悪いものなれば、気の弱い神経質のものがこれに住すれば、必ず疑心暗鬼を生ずるの道理にて、自ら種々の妖怪を呼....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
も、一部に噂されるような偏屈な狭隘な人でなかったのは明白である。 だが、極めて神経質で、学徳をも人格をも累するに足らない些事でも決して看過しなかった。十数年|....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
かった。『浮雲』第三編が発表された『都の花』を請取った時は手が慄えたというほどの神経質にも似合わず、この時代は文壇的には無関心であって世間の毀誉褒貶は全く風馬牛....