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「神韻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神韻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
《きいん》に傾倒せぬ者が大多数を占めているから、この種の筆墨に物外《ぶつがい》の神韻《しんいん》を伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ。 惜しい事に雪舟《せ....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
ざる理が存在するではないか。また一幅の名画に対するとせよ、我々はその全体において神韻縹渺《しんいんひょうびょう》として霊気人を襲う者あるを見る、而もその中の一物....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
常に急迫した、急転直下式の感じに圧倒されながら、あとから考えると誠にユッタリした神韻縹渺たる感じが今に残っている。 「海人」の仕舞でも地謡(梅津朔造氏、山本毎氏....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
のものを考えることができなかった。彼のイデヤは詩的であり、情味の深い影を帯びた、神韻|縹渺《ひょうびょう》たる音楽である。これに反してアリストテレスは、気質的の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
われません。 白雲もまた、芭蕉の人格を偉なりとすることを知っている。その発句の神韻《しんいん》は、到底、後人に第二第三があり得ていないことを信じている。その発....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ておったぞ」 「どこにもおりゃせん。と同時に、どこにでもおる。いわば大気じゃな。神韻《しんいん》漂渺《ひょうびょう》として捕捉しがたしじゃ――はははは、いや、こ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
といい、さすが蔵帳《くらちょう》の筆頭にのっている大名物《おおめいぶつ》だけに、神韻《しんいん》人に迫る気品がある。 すがりといって、赤い絹紐を網に編んで、壺....
地水火風空」より 著者:豊島与志雄
裏面の文句を口の中で繰返す。 「キャカラバア……地水火風空……。」 おのずから神韻縹緲として、胸廓の広きを覚ゆるのである。....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
応の手間が、かかるものだ。 しかし、美や芸術というものは、助平根性を遊離して、神韻ビョウビョウと、星の如くに高く輝くようなものではなかろう。生身の助平根性と一....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
れにもまして、チンピラ小説に暗殺されたトマさんは、アプレゲールの最尖端、あまりに神韻ヒョウビョウとして、その影だにも捉えがたい。 私も探偵小説というものを書い....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
いえども、元来機械製造のものたる、千篇一律《せんぺんいちりつ》風致《ふうち》なく神韻《しんいん》を欠くを以て、単《ひとえ》に実用に供するに止《とど》まり、美術品....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
度び自然に眼が開けば必ず新鮮の美が油然と起って、室町時代の能面のような幽玄微妙な神韻を創生するに至った事実はわれわれにとって無上の教訓となる芸術上の恐ろしい約束....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
近づくことは悲しみである。だが老年にはまた、老年の幽玄な心境がある。老いて宇宙の神韻と化し、縹渺《ひょうびょう》の詩境に遊ぶこともまた楽しみである。空には白い雲....
江戸川乱歩」より 著者:平林初之輔
。これは芸術家としての、特に大衆作家としての彼の強味でもあると同時に、彼の作品に神韻《しんいん》ともいうべき風格を欠如させている理由でもある。 彼の文章は救い....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
ないのであります。 たゞ漢詩は、和本の木版摺で読まないと、どういうものか、あの神韻|漂渺たる感が浮んでまいりません。....