神鳴[語句情報] » 神鳴

「神鳴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神鳴の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
全身に情熱をこめ、戦うようにピアノを弾《ひ》きつづけました。すると突然会場の中に神鳴りのように響き渡ったのは「演奏禁止」という声です。僕はこの声にびっくりし、思....
」より 著者:芥川竜之介
す間もなく、天を傾けてまっ白にどっと雨が降り出したではございませんか。のみならず神鳴《かみなり》も急に凄じく鳴りはためいて、絶えず稲妻《いなずま》が梭《おさ》の....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
間の、燃えるような瞳《ひとみ》を見ないからです。わたしは女と眼を合せた時、たとい神鳴《かみなり》に打ち殺されても、この女を妻にしたいと思いました。妻にしたい、―....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
君たち二人の思が神に通じたんだよ。お島婆さんは鍵惣《かぎそう》と話している内に、神鳴りに打たれて死んでしまった。」と、いつもよりも快活に云い添えるのです。新蔵は....
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
に、そんなこともなく、際限もなく落ちて行きました。だんだんそこいらが明るくなり、神鳴《かみな》りが鳴り、しまいには眼も明けていられないほど、まぶしい火の海の中に....
化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
ってもよい。しかし昔の学者の信じた事実は昔の学者にはやはり事実であったのである。神鳴りの正体を鬼だと思った先祖を笑う科学者が、百年後の科学者に同じように笑われな....
十二支考」より 著者:南方熊楠
力蔵、今日の命知らず、今宮の早鐘、脇見ずの山桜、夢の黒船、髭の樊※《はんかい》、神鳴《なるかみ》の孫助、さざ波|金碇《かねいかり》、くれないの竜田、今不二の山、....
追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
当てた「加八」が庄屋になる。当らなかったら当るまで同じことを繰返すのである。 「神鳴り」というのは、一人が雷神になって例えば障子の外の縁側へ出て戸をたたいて雷鳴....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
に呼び合う声とを頼りに、八丁堀合点長屋を先刻出た藤吉勘次彦兵衛の三人は、風と雨と神鳴りとが三拍子揃って狂う丑満《うしみつ》の夜陰《やみ》を衝いて、いま大富町から....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
に、まして膳の上には荒川の鮎を得たれば、小酌に疲れを休めて快く眠る。夜半の頃おい神鳴り雨過ぎて枕に通う風も涼しきに、家居続ける東京ならねばこそと、半は夢心地に旅....
夕立」より 著者:永井荷風
降らしむ。清元浄瑠璃《きよもとじょうるり》の文句にまた一しきり降る雨に仲を結ぶの神鳴《かみなり》や互にいだき大川の深き契ぞかわしけるとは、その名も夕立と皆人の知....
」より 著者:正岡子規
して居る恋は今更条理を考えて既往を悔む事はないはずだ。ある時はいとしい恋人の側で神鳴《かみなり》の夜の物語して居る処を夢見て居る。ある時は天を焦《こが》す焔《ほ....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
生き生きとよみがえって、胸いっぱい息をつくことでしょう。しかし僕だけは、あらしも神鳴りも、心の曇りを洗い落してはくれないのだ。自分の一生はもう駄目だ、取返しがつ....