»
祟
「祟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
祟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ら、罵《ののし》り騒いでいるのでございます。さてはまた、福徳の大神《おおかみ》に
祟られた物狂いでも踊っているか、さもなければ迂闊《うかつ》な近江商人《おうみあき....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
し》も一手《ひとて》の大将だったものを。こういう辱《はずか》しめを受けた上は必ず
祟《たた》りをせずにはおかぬぞ。……」
古千屋はつづけさまに叫びながら、その度....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
」だの、何か夫と話しているらしい譫言《うわごと》ばかり云っていた。が、鎌倉行きの
祟《たた》りはそればかりではない。風邪《かぜ》がすっかり癒った後《あと》でも、赤....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
苦行した所以《ゆえん》は勿論《もちろん》王城の生活の豪奢《ごうしゃ》を極めていた
祟《たた》りであろう。その証拠にはナザレの大工の子は、四十日の断食しかしなかった....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
た。すると御主人も御笑いになりながら、
「その手招ぎが伝わっているのじゃ。嗔恚の
祟《たた》りはそこにもある。あの時おれが怒《おこ》りさえせねば、俊寛は都へ帰りた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
中ほどで、はじめて昨日汽車の中で、夫人を女|俳優だと、外人に揶揄一番した、ああ、
祟だ、と気が付いた。 気が付いて、莞爾とした時、渠の眼は口許に似ず鋭かった。 ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
痛み出した。舌をやってみると、ぐらぐら動くやつが一本ある。どうも赤木の雄弁に少し
祟られたらしい。 三十日 朝起きたら、歯の痛みが昨夜よりひどくなった。鏡に向....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
鍔の涙。ここで甘い涙と申しますのは。――結膜炎だか、のぼせ目だか、何しろ弱り目に
祟り目でしょう。左の目が真紅になって、渋くって、辛くって困りました時、お雪さんが....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
御経の声やら、咳やら……」 十四 「占者が卦を立てて、こりゃ死霊の
祟がある。この鬼に負けてはならぬぞ。この方から逆寄せして、別宅のその産屋へ、守刀....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
って、傲慢な奴だけに、ぴしりと、もろい折方、憤死してしまったんだ。七代まで流儀に
祟る、と手探りでにじり書した遺書を残してな。死んだのは鼓ヶ嶽の裾だった。あの広場....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
分釣棹をねだって、貴郎が何です、と一言の下に叔母御に拒絶された怨があるから、その
祟り容易ならずと可知矣。」 と蘆の葉ずれに棹を垂れて、思わず観念の眼を塞げば、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
で、俯向いて見る見る失望の色を顕した。思わず嘆息をして口惜しそうに、 「どこまで
祟るんだな、獣め。」 五十八 少年を載せた巌は枝に留まった梟のよ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
たい。僕は又この頃思い出したように時時句作を試みている。が、一度句作に遠ざかった
祟りには忽ち苦吟に陥ってしまう。どうも蛇笏君などから鞭撻を感じた往年の感激は返ら....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ら。……ところで(船中には、一人坊主を忌むとて、出家一|人のみ立交る時は、海神の
祟ありと聞けば、彼の美女の心、いかばかりか、尚おその上に傷みなむ。坊主には候わず....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
をつけられねいぞ。かかり合いになって牢屋さでも、ぶっこまれたら大変だ。触らぬ神に
祟なしって言うわで。」 と附足して言いました。 「そうだども、不憫でねいか、獣に....