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祠堂
「祠堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
祠堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
あれ》はね婆《ばア》さまが死んだから其の白骨を本当の紀州の高野へ納めに往くって、
祠堂金《しどうきん》も沢山持ってる様子だ、お累さんもあゝいう死様《しによう》をし....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
を見た。 芝生の端が垂れ下っている崖の上の広壮な邸園の一端にロマネスクの半円|
祠堂があって、一本一本の円柱は六月の陽を受けて鮮かに紫|薔薇色の陰をくっきりつけ....
「運命」より 著者:幸田露伴
されて、方氏また栄ゆるに至れり。廖氏等拾骸の功また空しからず、万暦に至って墓碑|
祠堂成り、祭田及び嘯風亭等備わり、松江に求忠書院成るに及べり。世に在る正学先生の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
よ」 「どうしてまたそれを知ってじゃ」 「いるんですよ、一匹この街道にね。それも
祠堂金ばかり狙う女スリだっていうんですがね、三十位の大年増に化けたかと思うと、十....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
服を着用しても苦しくないか。神社仏寺とも古来所伝の什物、衆庶寄付の諸器物、並びに
祠堂金等はこれまで自儘に処分し来たったが、これも一々教部省へ具状すべき筋のもので....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の猴が奉じた宗旨を伝承して人間が継続し居るものだが、その人間が逆にことごとく猴の
祠堂を奪うてこの堂一つを残したらしいと言った。これは戯言ながら全く理《ことわり》....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
たびたび》下駄を取られそうになりながら、それでも迷わずに先祖代々の墓の前へ出た。
祠堂金《しどうきん》も納めてある筈、僅ばかりでも折々の附け届も怠らなかった積《つ....
「蠅供養」より 著者:田中貢太郎
ております」 そして、昨年の秋になってお玉は常楽寺と云う寺へ両親の位牌を立て、
祠堂料として銀七十目を収めたが、その残りの三十目は主人に預けてあった。それが冬に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
と別類だ。コンゴ国には鼠を神林の王とし、バガンダ人は、ムカサ神がキャバグ王のその
祠堂を滅せしを怒り、群鼠をして王の諸妃を噛み殺させた話を伝う(一九〇六年板、デン....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たようでございました。『小櫻姫は貞女の亀鑑である』などと、申しまして、私の死後に
祠堂を立て神に祀ってくれました。それが現今も残っている、あの小桜神社でございます....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
。 今浅草寺ではこのお狸様を鎮護大使者として祀っています。当時私の父椿岳はこの
祠堂に奉納額をあげましたが、今は遺っていないようです。 毎年三月の中旬に近い日....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
野山の僧侶が床下へ隠して、紛失したと称した事件があった。島津家が、窮乏の極の時、
祠堂《しどう》金を与えなかったから僧侶が意地の悪い事をしたのである。それを、肥料....
「三国志」より 著者:吉川英治
相はそれほど甘い煩悩児でもないよ」 と、相府のある者は、彼のすがたをよく新しい
祠堂の道に見るといって、人々の愚かな臆測をうち消した。 新しい
祠堂というのは、....
「三国志」より 著者:吉川英治
のことばの中にかえってありのままな孔明の姿があるような気がするのである。 丞相ノ
祠堂 何レノ処ニカ尋ネン 錦管城外 柏森々 階ニ映ズ 碧草自ラ春色 葉ヲ隔ツ黄※....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
がある。いわば村社といったものか。そこの森の神木を、高野明神とあがめ、そばに古い
祠堂があった。 「……備後。星もだいぶ夜更けたようだの」 「あれが北斗でございま....