»
祥
「祥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
祥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の光も次第に弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の
祥月命日《しょうつきめいにち》を迎えた。喜三郎はその夜《よ》、近くにある
祥光院《....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
家は明日《あす》が日にも世嗣《よつ》ぎが絶えてしまうのでございます。そのような不
祥がございませんように、どうか茂作の一命を御守りなすって下さいまし。それも私風情....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
を最も適当に行使せられる事を確信して居ります。どうか昭代《しょうだい》をして、不
祥の名を負わせないように、閣下の御《ご》職務を御完《おまっと》うし下さい。
猶....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
かかる。 いや、御先達、お山伏は、女たちとここで一献お汲みがよいよ。 朱の盤 吉
祥天女、御功徳でござる。(肱を張って叩頭す。) 亀姫 ああ、姥、お前も大事ない、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
たのは、かの国で引廻しとか称えた罪人の姿に似ている、私の手許に迎入るるものを、不
祥じゃ、忌わしいと言うのです。 事実不
祥なれば、途中の保護は他にいくらも手段が....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
ければならんじゃった。が、それとても凶事を追出いたばかりじゃ。外から入って来た不
祥はなかった。――それがその時、汝の手で開いたのか。 侍女 ええ、錠の鍵は、がっ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
像が架に据えて数々ある。 みどり児を、片袖で胸に抱いて、御顔を少し仰向けに、吉
祥果の枝を肩に振掛け、裳をひらりと、片足を軽く挙げて、――いいぐさは拙いが、舞な....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
手に薬瓶の紫を提げた、美しい若い娘が、袖の縞を乱して駈寄る。 「怪我は。」 「吉
祥院前の接骨医へ早く……」 「お怪我は?」 与五郎野雪老人は、品ある顔をけろり....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
うにした。 「密々、話していやはったな。……そこへ、私が行合わせたも、この杯の瑞
祥だすぜ。 ここで夫婦にならはったら、直ぐにな、別に店を出してもらうなり、世帯....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
です。」 と頬も冷たそうに、うら寂しく、 「故郷へ帰って来て、田沢家を起す、瑞
祥はこれで分った、と下へも置かないで、それはほんとうに深切に世話をして、牡丹さん....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、飛ぶ。 前髪にも、眉毛にも。 その眉の上なる、朱の両方の円柱に、 ……妙吉
祥…… ……如蓮華…… 一|聯の文字が、雪の降りつもる中に、瑠璃と、真珠を刻ん....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
をここに断っておかねばならぬ。 何かしら絆が搦んでいるらしい、判事は、いずれ不
祥のことと胸を――色も変ったよう、 「どうかしたのかい、」と少しせき込んだが、い....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
にまかせて、彼方此方、同じ処を四五|度も、およそ二三里の路はもう歩行いた。 不
祥な言を放つものは、曰く厠から月に浮かれて、浪に誘われたのであろうも知れず、と即....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
高波の変はかりがたく、溺死の難なしというべからず、是に寄りて西入船町を限り、東吉
祥寺前に至るまで凡そ長さ二百八十間余の所、家居取払い空地となし置くものなり。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
日目の夜中に不幸にして的中した事と。 当夜の火元は柳屋ではなく、かえってその不
祥の兆に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難消滅の水垢離を取って、裸体のま....