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禁厭
「禁厭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禁厭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
会いに行かずにいるのも、そうする事が何か宗教上の願がけで、倉地の愛をつなぎとめる
禁厭《まじない》のように思えるからしている事だった。木村にだっていつかは物質上の....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
て、わけを言わなければならなかった。 「ははあ、ごんごんごま、……お薬用か、何か
禁厭にでもなりますので?」 とにかく、路傍だし、埃がしている。裏の崖境には、清....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ほどに、雷様の時の用心の線香を芬とさせ、居間から顕われたのはお蔦で、艾はないが、
禁厭は心ゆかし、片手に煙草を一撮。抜足で玄関へ出て、礼之進の靴の中へ。この燃草は....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
第一色気ざかりが露出しに受取ったから、荒物屋のかみさんが、おかしがって笑うより、
禁厭にでもするのか、と気味の悪そうな顔をしたのを、また嬉しがって、寂寥たる夜店の....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
慈悲。」で、お願というのが金でも米でもない。施与には違いなけれど、変な事には「お
禁厭をして遣わされい。虫歯が疚いて堪え難いでな。」と、成程左の頬がぷくりとうだば....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
可恐しい処を遁げるばかりに、息せいて手を引いたのである。 魔を除け、死神を払う
禁厭であろう、明神の御手洗の水を掬って、雫ばかり宗吉の頭髪を濡らしたが、 「……....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
……白い半身が逆になって見えましょう。……今時……今時……そんな古風な、療治を、
禁厭を、するものがあるか、とおっしゃいますか。ええ、おっしゃい。そんな事は、まだ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
とか言いましたっけ。一人、わざわざ山越えで浜の方から来たんだって、怪物に負けない
禁厭だ、と※の針を顱鉄がわりに、手拭に畳込んで、うしろ顱巻なんぞして、非常な勢だ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
悲しい唄を唄います。そしてお客の取れぬ時は、船頭衆の胸に響いて、女が恋しゅうなる
禁厭じゃ、お茶挽いた罰、と云って、船から海へ、びしゃびしゃと追下ろして、汐の干た....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
れ太根になったよ。」 と、一つ腰を伸して、杖がわりの繻子張の蝙蝠傘の柄に、何の
禁厭やら烏瓜の真赤な実、藍、萌黄とも五つばかり、蔓ながらぶらりと提げて、コツンと....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
「ありゃ天満の亀の子煎餅、……成程亀屋の隠居でしょう。誰が、貴方、あんな婆さんが
禁厭の蛇なんぞを、」 「ははあ、少いものでなくっちゃ、利かないかね。」 「そりゃ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
にも(目あり)とかいて、煎餅を焼いて売りもした。「目あり煎餅」勝負事をするものの
禁厭になると、一時弘まったものである。――その目をしょぼしょぼさして、長い顔をそ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ったの、貢さんはあれが恐いのかい。」 「見ていたの。」 「ああ見ていたとも、私が
禁厭をしてあげたから何とも無かったんですわ。危ないことね。」 「恐かったよ。染ち....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
地震に水瓶の蓋を取って置くはおかしいね。」 「理詰じゃあねえんでさ、まずいわばお
禁厭さ。安政の時に家中やられたのが、たった一人、面くらって水瓶の中へ飛込んだ奴が....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
った上へ、鬢の香を誘って落ちた。 「しばらくそうしていらっしゃい。――離れないお
禁厭よ。」 「竜胆以上に嬉しいなあ。」 と、寂しそうに笑った。 「御挨拶だわね....