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禁句
「禁句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禁句の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、その代り正々堂々とやる。君のように暗打ちなんぞは食わせない。いや、こりゃ失礼。
禁句禁句《きんくきんく》金看板《きんかんばん》の甚九郎《じんくろう》だっけ。――....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
て、出羽守は起ち上った。 川島与七郎が、 「のう、殿――。」 「与七! 殿とは
禁句のはずじゃぞ。何じゃ。」 「あ、さようでございましたな。しかし、物も言わずに....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
まま、まだグウグウ睡っている。電気時計の指針は、もう午前六時を指している――また
禁句禁句――のに、彼は目が覚めない。受信機のスイッチをひねって置けば、この辺でラ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。可いかね、その気だもの……旅籠屋の女中が出てお給仕をする前では、阿父さんが大の
禁句さ。……与一兵衛じゃあるめえし、汝、定九郎のように呼ぶなえ、と唇を捻曲げて、....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
は百人に余る大一座で、すき焼で、心置かず隔てのない月並の会……というと、俳人には
禁句らしいが、そこらは凡杯で悟っているから、一向に頓着しない。先輩、また友達に誘....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ク犬を評していたものもありましたけれど、元の支配ということだけすらが、この席では
禁句でもあるかのように、 「うむ」 と言って噛み殺すように頷《うなず》いたばかり....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
春風を切って江戸中を濶歩する。 ところで、この阿古十郎にたいして、たったひとつ
禁句がある。それはアゴという言葉。いや、言葉ばかりではない。この男の前でうっかり....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
悠々として安心するを得ず。その家人と共に一家に眠食して団欒たる最中にも、時として
禁句に触れらるることあれば、その時の不愉快は譬《たと》えんに物なし。無心の小児が....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
。足もにぶらあ。お蔦さんが今度こそあ仙さんを連れて来てと言ったっけが――おっと、
禁句か。いやさ話がよ、チチチンと、あれ寝たと言う寝ぬと言う、とまあ言ったわけで、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ろう。 (お休みの処を、済みません、)と丁寧に小腰を屈めて挨拶をしたが、うっかり
禁句とは心着かなかった。飯炊は面を膨らして、 (へん、ちゃぶ屋の姉さんじゃあるま....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ん、ともかくも貰って行くよ。途中で自然からこの蓋が取れて手が切れるなんざ、おっと
禁句、」とこの際、障子の内へ聞かせたさに、捨吉相方なしの台辞あり。 五助はまめ....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
もにぶらあ。お蔦さんが今度こそあ仙さんを連れて来てといってたっけが、――おっと、
禁句か。いやさ話がよ、チチチンと、あれ寝たという寝ぬという、とまあいった訳で、あ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いけれど、二、三百両ほどの立て替えがあるんですよ……あ、こんな話は目明しさんには
禁句だっけ、ご免なさいよ、ホ、ホ、ホ、ホ」 「なに、目明しは目明しでも、この万吉....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、固くなった。 ――およそ足利家の者にとっては、先々代の主君家時の話というのは
禁句だった。なぜならば、絶対に公表できない原因で、しかもまだ三十代に、あえなく自....