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禁札
「禁札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禁札の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
ある。鴎外を難解な、深遠のものとして、衆俗のむやみに触れるべからずと、いかめしい
禁札を張り出したのは、れいの「勉強いたして居ります。」女史たち、あるいは、大学の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
札なぞ歯牙《しが》にもかけないといった風でした。 「ほほう。賄賂《わいろ》止めの
禁札があるな。よいよい、
禁札破り致すのも江戸への土産《みやげ》になって面白かろう....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
はございません。無暗な者が採りますと、どんな間違になろうも知れませんから、昔から
禁札が打ってあるのでございましょう。 貴方は、そうして御経をお読み遊ばすくらい....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
から上ろうとする坂の下の取着の処にも一本見事なのがあって、山中心得の条々を記した
禁札と一所に、たしか「浅葱桜」という札が建っていた。けれども、それのみには限らな....
「露肆」より 著者:泉鏡花
金、お茶の子の朝飯前という……次は、」 と細字に認めた行燈をくるりと廻す。綱が
禁札、ト捧げた体で、芳原被りの若いもの。別に絣の羽織を着たのが、板本を抱えて彳む....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
が、せっかくの処へ運んだものを、ただ山を越えたでは、炬燵櫓を跨いだ同然、待て待て
禁札を打って、先達が登山の印を残そうと存じましたで、携えました金剛を、一番|突立....
「或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
と大抵毎日のように顔を合していた。そしてただ微笑み合うだけで、重々しい御門の柱の
禁札をも、別に怨めしいと思う心は起らなかった。ただ日曜や雨の日は、お坊さんの姿が....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
心深くあたりを見回すのであった。 二人でいっしょに散歩していると、クリストフは
禁札を見るごとにかならずその畑の柵《さく》を飛び越してはいった。あるいは所有地の....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
石の平原にも、真珠でちりばめた断崖の下にも、貴公は必ずや『汝、盗みするなかれ』の
禁札を見まするぞ」 ヴァランタンは、この一生涯に始めての馬鹿げた大失敗から、落....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
盛業中である。 全国いたるところのパチンコ屋は、中学生高校生おことわり、などゝ
禁札を立てているようだから、丸帽子をかぶったニキビだらけのがアキラメわるく三四人....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
こし離れた箇所《かしょ》を指さした。そこには、風雨にさらされて字の読めなくなった
禁札が建っていた。御門内にてとんぼ獲《と》ることならんぞよ、と大きく書かれてあっ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
から、また、ごらんなさい。神苑のうちの樹木折るべからず、鳥獣殺生禁断のことという
禁札が立ててあるではありませんか。その中で、お掃除役を奉仕する者が、木剣で木など....