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「禁猟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禁猟の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
ほんとに嬉しかったです。それを進んで午後五時半道仙寺の頂上へ登りました。岡山県の禁猟区の杭と兵庫県の国有林の杭が打ってあります。実にこの頂上こそ海抜一三四四メー....
名勝地帯」より 著者:黒島伝治
有林だった。農民は、一本の樹も、一本の枝も伐ることが出来なかった。同時に、そこは禁猟区だった。畠の岸で見つけた雲雀の卵を取って、罰金と仕末書を取られた者がある。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
――京都の巨椋《おぐら》の池で、鳥を撃ったものがある。ここは伏見奉行の管轄で、御禁猟地になっている。いまだ曾《かつ》て何ものも、この辺で発砲を試みた無法者はない....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
田舎料理麦飯を以って遇し、あるいは主として川魚を御馳走したのである。またこの地は禁猟の域で自然と鳥が繁殖し、後年|掟のゆるむに従って焼き鳥もまた名物の一つになっ....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
が、まだ解禁にならないと言う。多くの平野の川々では、やがて復禁りょう尽してもまだ禁猟にならない処もあり、禁猟など言うことが、鮎にあることすら知らぬ地方もある。中....
」より 著者:田中貢太郎
きを初めた。久兵衛は思いがけない獲物を眼の前に見つけて心をそそられたが、其の辺は禁猟の場所になっているので、一足往きかけたものの往くことができなかった。それでも....
鴨猟」より 著者:芥川竜之介
獲れないのが大いに嬉しいと見えて、「えらい、このごろの鴨は字が読めるから、みんな禁猟区域へ入ってしまう」などと手を叩いて笑っていた。しかもまた、何だか頭巾に似た....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
があって、その正体がはっきり分かったのである。 日本では、狸の妊娠から分娩季を禁猟にしている。ところが、野州のある百姓が、貉を捕って殺した。それを、村の駐在巡....
がん」より 著者:小川未明
見受けるし、安心して、みんなの休むところがなかったのです。そして、ようやく、この禁猟区の中のこの池を見いだしたというようなわけです。」と、老いたるがんに向かって....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
く風に吹き倒されたのは少ないようであった。 白檜の純林は何処までも続いている。禁猟区と書いた五尺余りの杭が、忘れた頃に先々と立っている。落葉が積ってふっくりと....