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禄
「禄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
然を見る目に多少の鋭さを加えたのはやはり何冊かの愛読書、――就中《なかんずく》元
禄の俳諧《はいかい》だった。彼はそれ等を読んだ為に「都に近き山の形」を、「欝金畠....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
姫君を呪《のろ》うような事があったとして御覧なさい。叔父さん始め私まで、こうして
禄を頂いている甲斐がないじゃありませんか。」
私の甥は顔を火照《ほて》らせなが....
「葱」より 著者:芥川竜之介
が、ピンで三四枚とめてある。一番まん中なのは、鏑木清方《かぶらぎきよかた》君の元
禄女《げんろくおんな》で、その下に小さくなっているのは、ラファエルのマドンナか何....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
も致しませんな。さればこそ、武士はもとより、町人百姓まで、犬侍《いぬざむらい》の
禄盗人《ろくぬすびと》のと悪口《あっこう》を申して居《お》るようでございます。岡....
「老年」より 著者:芥川竜之介
、歌沢の師匠もやれば俳諧の点者《てんじゃ》もやると云う具合に、それからそれへと微
禄《びろく》して一しきりは三度のものにも事をかく始末だったが、それでも幸に、僅な....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
、はなはだみすぼらしい。正面には一段高い所があって、その上に朱塗《しゅぬり》の曲
禄《きょくろく》が三つすえてある。それが、その下に、一面に並べてある安直な椅子《....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
》天草《あまくさ》の諸島を遍歴して、古文書の蒐集に従事した結果、偶然手に入れた文
禄《ぶんろく》年間の MSS. 中から、ついに「さまよえる猶太人」に関する伝説を....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
を奪われたる現状に対して、不思議なる方法によってその敬意と服従とを表している。元
禄時代に対する回顧《かいこ》がそれである。見よ、彼らの亡国的感情が、その祖先が一....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に、貞造へお遣わしなすったお手紙なんです。 馬丁はしていたが、貞造はしかるべき
禄を食んだ旧藩の御馬廻の忰で、若気の至りじゃあるし、附合うものが附合うものですか....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
てないと、木戸を攀じ、縁側へ這いかかる。……こんな荒地は、糸七ごときに、自からの
禄と見えて、一方は隣地の華族|邸の厚い塀だし、一方は大きな植木屋の竹垣だし、この....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は、第一の乙姫様として竜宮界を代表遊ばされる、尊い御方だけに、矢張りどことなく貫
禄がございます。何となく、竜宮界の女王様と言った御様子が自然にお躯に備わって居ら....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
ライトとは、文明と非常に密接な関係を持つもので、文明はあかりを伴うものである。元
禄時代の如きは非常に明い気持があったがやはり江戸時代は暗かった。 ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
頃は幕府|瓦解の頃だったから、八万騎をもって誇っていた旗本や、御家人が、一時に微
禄して生活の資に困ったのが、道具なぞを持出して夜店商人になったり、従って芝居なぞ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るその功を持参金にして、新政府に嫁し、維新功臣の末班に列して爵位の高きに居り、俸
禄の豊なるに安んじ、得々として貴顕栄華の新地位を占めたるは、独り三河武士の末流と....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
なった。私は戦争の死線をこえて、つくづく生きてよかったと思い、これからはいわば余
禄の命だと心に決めた。そしてこの余
禄の命を今後の日本のために投げださねばならぬと....