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禍
「禍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
頼みと申すのは、その張本《ちょうぼん》の老爺《おやじ》を搦《から》めとって、長く
禍の根を断ちたいのじゃが、何とその方どもの力で、平太夫めに縄をかけてはくれまいか....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
法衣《ころも》に隠した戒刀《かいとう》の※《つか》へ手をかけた。倭国《わこく》の
禍《わざわい》になるものは芽生《めば》えのうちに除こうと思ったのである。しかし行....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
子《テーブル》の上から取り上げたが、すぐにまた元の位置に戻して、
「ええ、これは
禍《わざわい》を転じて福《さいわい》とする代りに、福を転じて
禍とする、縁起《えん....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
に霊があれば、俊寛一人を残したまま、二人の都返りを取り持つくらいは、何とも思わぬ
禍津神《まがつがみ》じゃ。お前はさっきおれが教えた、少将の女房を覚えているか？ ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
じ》りに襲《おそ》いおった。
既《すで》に目も眩《くら》んで倒れそうになると、
禍《わざわい》はこの辺が絶頂であったと見えて、隧道《トンネル》を抜けたように、遥....
「弓町より」より 著者:石川啄木
やみかつ敬服《けいふく》するところではあるが、諸君はその研究から利益とともにある
禍《わざわ》いを受けているようなことはないか。かりにもし、ドイツ人は飲料水の代り....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
まといの幼少者などある身には、更に痛切に無事を願うの念が強いのである。 一朝｜
禍を蹈むの場合にあたって、係累の多い者ほど、惨害はその惨の甚しいものがあるからで....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。」 と悠然として打頷き、 「そこでじゃ、客僧。 たといその者の、自から招く
禍とは言え、月のたちまち雲に隠れて、世の暗くなるは怪まず、行燈の火の不意に消ゆる....
「露肆」より 著者:泉鏡花
かになりますに従うて、頭痛などもたちどころに治ります。どうぞ、お試し下さい、口は
禍の門、諸病は口からと申すではありませんか、歯は大事にして下さい、口は綺麗にして....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
普及となりつつある。道に反く者、心の弱き者、定見なき者又単なる好奇心で動く者は、
禍なる哉である。真理を求むる者のみが、大盤石の上に立って居る。 問『いかにして真....
「思い」より 著者:伊丹万作
い。このように多くの人間が、時代の波に流される激しさからみれば、偶然的な空襲の災
禍などたいしたものではないという気がする。（九月五日） （『映画評論』昭和十六年十月号）....
「多神教」より 著者:泉鏡花
と言うかな。姉様。 神職 退れ、棚村。恁る場合に、身らが、その名を聞き知っても、
禍は幾分か、その呪詛われた当人に及ぶと言う。聞くな。聞けば聞くほど、何が聞くほど....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
迎え戦いたりとせよ、その結果はいかなるべきぞ。人を殺し財を散ずるがごときは眼前の
禍に過ぎず。もしそれ真の
禍は外国の干渉にあり。これ勝伯の当時においてもっとも憂慮....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
「どうするッて、殺しっちまえば可いんでしょう。」 「そうだとよ。」 「それはもう
禍の根を断つのだから、宵啼をする鶏は殺すものとしてあるわさ。」 「そこで、」 「....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
該方面に転進し遂にこれを撃破した。しかも軍隊は再び掠奪を始め、デゴの寺院すらその
禍を蒙る有様であった。 ボーリューは十二日の敗報を受けてもこれは戦場の一波瀾ぐ....