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禍機
「禍機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禍機の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れまでだと覚悟する将軍は、討幕の密議がそれほどまで熟しているとは知らなかったが、
禍機はすでにその極度に達していることを悟り、敵としての自分の前に進んで来るものよ....
「愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
知道らん恩情永く隔り 書信全く稀ならんとは 干戈満目交揮う 奈んぞ命薄く時|乖き
禍機を履んで鎖金帳底に向う 猿驚き鶴怨む 香羅巾下 玉と砕け花と飛ぶ 三貞を学ば....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しているのではなく、民心の鬱結がおのずから相当の殺気というものを孕《はら》んで、
禍機が不可思議の辺に潜んでいるらしい意味に聞えましたが、米友は、そんなような漠然....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
た。そんなわけで、これまでたまたまに遇っていた少女と毎日顔を合わせるようになる。
禍機はそこに潜んでいた。盲目の性慾は時を得顔にその暗い手を伸して、かれを未知のす....
「新疆所感」より 著者:日野強
露国の中央アジア経綸に対抗し来れるは、一朝一夕の事にあらず。由来パミール高原は、
禍機の伏在するの地、しかも新疆と相接壌するが故に、露国が指を新疆に染めんと欲すれ....