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福徳
「福徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ひとかたまり》になりながら、罵《ののし》り騒いでいるのでございます。さてはまた、
福徳の大神《おおかみ》に祟られた物狂いでも踊っているか、さもなければ迂闊《うかつ....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
んびりした気持で歩いていた。 と、裏門がギーと開いて、三年前に初めて逢い、彼に
福徳を授けて呉れた白髪|皓膚の托鉢僧が、そこから忽然と這入って来た。 「お、これ....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
つづいて太郎坊大天狗などという恐ろしい者で名高い。勝軍地蔵はいつでも武運を守り、
福徳を授けて下さるという信仰の対的である。明智光秀も信長を殺す前には愛宕へ詣って....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
です。これがなかなか難儀であって、木の先へ大黒天の顔を彫って行くのであるが、円満
福徳であるべきはずの面相が馬鹿に貧相になったり、笑ったようにと思ってやると、かえ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
を高く蜒って、枯草葉の径が細く分れて、立札の道しるべ。歓喜天御堂、と指して、……
福徳を授け給う……と記してある。 「
福徳って、お金ばかりじゃありませんわ。」 ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
うのである。 東京パレスに於ては、アベコベだ。彼らの睨みは全的であるけれども、
福徳円満である。持てる者は、どうしても、そうなる。しかも彼の前にヒラヒラ、サササ....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
い。……戌亥にあたって丘があり、辰巳に向かって池がある。それが屋敷を夾んでいる。
福徳遠方より来たるの相だ。即ち東南には運気を起し、西北には黄金の礎を据える。……....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
保持たれている天国の剣であった。 おお、この「持つ人の善悪に関わらず、持つ人に
福徳を与う」とまで、云い伝えられている、日本最古の刀匠――大宝年中、大和に住して....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ている。コマ王好台七世の孫延興王の後で、背奈氏を称したという。天智のとき来朝し、
福徳の代にコマ郡に住んだが、その孫の福信は少年時代に伯父行文につれられて奈良の都....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
て春の夕、大信寺の鐘の音が、わが村に響いて、余韻が消えなんとするとき、村の末風山
福徳寺の鐘が、人の撞かぬのに大信寺の鐘に応えるが如く、自ら低く唸り咳くのである。....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
僕は人の手に作られた石の地蔵に、かしこくも自在の力ましますし、観世音に無量無辺の
福徳ましまして、その功力測るべからずと信ずるのである。乃至一草一木の裡、あるいは....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
あることは、おそらく何人も否定しないであろう。 流行神の例としては、応徳二年の
福徳神、天慶八年の志多羅神など、ことにいちじるしいもので、ともに京都で大騒ぎを演....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
のです。で、生れてから身体を洗わないという理由はどうかと言いますと、洗うと自分の
福徳が落ちると言うのです。妙な考えを起したもので、もっとも中央チベットではそれほ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の二、三を付記すべし。シナ人は営利の念強く、福を祈ることはなはだし。街路に往々、
福徳祠と名づくる小石室あり(台湾もまたしかり)、その中福神の像を安置す。その貌や....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
これらの俗法師の徒が、鉦を打って妙幢の本懐を唱えたのも、非人が祝言を述べて相手の
福徳を言祝いだのも、つまりは同一動機に出でたものであらねばならぬ。かくてその堕落....