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福運
「福運〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福運の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
財天が小鶴の枕もとにあらわれて、我を祀って信仰すれば、諸人の災厄をはらい、諸人に
福運を授けると告げたので、かれは翌朝早々に下谷へ行ってその尊像を買い求めて来たの....
「竹青」より 著者:太宰治
学に志して、これぞという道にはずれた振舞いも無かった人であるが、どういうわけか、
福運には恵まれなかった。早く父母に死別し、親戚の家を転々して育って、自分の財産と....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
さか鼠がそっくりひいて行ったわけでもあるまい。福の神に見はなされたのだ。よくよく
福運の無い家と見える。」と言ったが口惜しさ、むらむらと胸にこみあげ、「いい笑い草....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
江戸ッ児には、宵越しをさせたくもこの始末なので及びもつかぬこと、それでも一かどの
福運を得る気で、眼前とられにゆくを甘んずるなどはとうてい江戸ッ児以外の人には馬鹿....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
あの調子が悲哀なように思われて、何時までも忘れられない。彼女も私と一緒に、自分の
福運を只夢を見ていたのだ。私は遂々其の夢を本当にしてやることが出来なかった。七年....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
ついて、実によい相をなしている、今月はちょっと塞りでいけないが、来月から実によい
福運にあなたは向います……。 ありがとうございました、と彼女はお礼を云って、そ....
「一本のわら」より 著者:楠山正雄
おもしろい一生をおくるようになりました。 一|本のわらが、とうとう、これだけの
福運をかき寄せてくれたのです。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ではもう遅い。私の命数は定まっていて、どうすることも出来ないのじゃ。それで私への
福運を改めて私からお前へ譲る。天から授かったと同じことじゃ。しかしどのような幸福....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
いうふうにも見られた呂昇の生涯に大飛躍の時が来た。呂昇には三十を越してからやっと
福運がめぐって来たのである。それまではよい給料をとりながらも八百円の高利がもとで....
「被尾行者」より 著者:小酒井不木
それから何か僕の品行だとか……」 「いいえ別に。何だか話振から察すると、あなたに
福運が向いているように思われましたよ」
福運どころか、どえらい不運だ! と、清....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ないし、またその間にどんな思いがけない救いの手が出て来るかも知れないのだし、また
福運という程ではなくも、どうかして自分等家族五人が饑えずに活きて行けるような新し....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
の妻に期待していたよろこびを僕にもたらしたのみならず、舅どのからまで、予期せざる
福運を授けてもらったという次第なんです。」 「そりゃまた一体、何ごとがもちあがっ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ンメール島 ソーゾン村長 一〇、子供は家の宝、
福運の基。まだ明け切らぬ小学校前の広場には、集りさんじた出品者ならびに出品物の数....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
渡します。
そんな事をするのはどういう意味かというと、つまりその銭に付いてある
福運までも共に商人に付けてやることを願わぬというところから、その
福運だけ吸い取り....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
もうかる。金はもうからないのではなく、人がもうけないのだ。そして天からさずかった
福運は絶対に自分のものとすること、つまり「握ったら離すな!」。また考えた、私は人....