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禿筆
「禿筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禿筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
けるが、本年は敵機もなく、句もなく、寝床にもぐり込む。 降伏日記(二) 序
禿筆をふるいて降伏日記を書きつづけん 昭和二十一年元旦 海野十三 一月....
「貧を記す」より 著者:堺利彦
愚公に米借りに行きぬ。客と酒のみいたり。我も共に飲む。 好文不如好酒乎
禿筆文をなす、気のいかぬかぎりなり。しかれどもいかんせん。この日記の文字を見て禿....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
あかい小さい蜻蛉がたくさん集まって飛んでいる。卒塔婆の新しいのに、和尚さんが例の
禿筆をとったのがあちこちに立っている。土饅頭の上に茶碗が水を満たして置いてあって....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
つしながら煤びたる行燈の横手の楽落を読ば山梨県士族|山本勘介大江山退治の際一泊と
禿筆の跡、さては英雄殿もひとり旅の退屈に閉口しての御わざくれ、おかしき計りかあわ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
のつくなかで自若たる泰軒、ふところをさぐって取り出したのは殺生道中血筆帳の一冊、
禿筆《ちびふで》の先を小松数馬の斬り口へ塗って血をつけ――。
すけ川の宿にて四....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
対を試みんとすることもあらんか、甚だ妙なり。我輩は満天下の人を相手にしても一片の
禿筆《とくひつ》以て之を追求して仮す所なかる可し。左れば此旧女大学の評論、新女大....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
しく茂って、万歳を寿ほぎしているかのように見える。 序文に代う 一日一題
禿筆を呵し、百日百題凡書成る、書成って再閲又三閲、瓦礫の文章菲才を恥ず。 ....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
が一身一箇の事にして、他人にこれを示すべきものにあらず。またこれを記すとも、予が
禿筆、その山よりも高く海よりも深き万分の一ツをもいい尽すこと能わず。またせめては....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
述ぶる所の場合に、終始一行の骨折《ほねおり》心配は、如何ばかりなりしぞ、実に予が
禿筆《とくひつ》の書き尽し得べき所に非ず、願《ねがわ》くは有志の士は自ら寒中登岳....