秀逸[語句情報] » 秀逸

「秀逸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秀逸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
うく》を吐き出せば、側《かたわら》の痩男は小首を捻《ひね》って、 「なるほどな、秀逸でげす」などと相槌《あいづち》を打つ。同胞の難儀を難儀とも思わぬ困った奴らで....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
響いたものは、この郡山の金魚は寛永年間にすでに新種を拵えかけていて、以後しばしば秀逸の魚を出しかけた気配が記録によって覗えることである。そして、そこに孕まれた金....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
祈る神のまにまに」も、文字こそ信玄の真蹟であれ歌は主水の作なのである。この他彼の秀逸としては、 いはと山緑も深き榊葉をさしてぞ祈る君が代のため 君を祈る賀茂の社....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
歌でございますこと、ねエ奥様」 「はははは、ばあやの折り紙つきじゃ、こらいよいよ秀逸にきまったぞ」 話の途切れ目をまたひとしきり激しくなりまさる風雨の音、濤の....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
謙遜家にも聊か得意の色見え申候」 とあるところを見ると、この逸話は翁の生涯中の秀逸ではないかと思われる。 ◇ 筆者は不幸にして装束を着け....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
蚊帳《あおがや》の中に、大きな顔がすっかりゆるんでいた。 も一足早ければ、何か秀逸な遺言を残したであろうに――枕許《まくらもと》に、まだよく色つかぬ柿が、枝の....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ってことがわかったよ、おばさんの役にたった一番目で、それがおしまいだ。」 「だが秀逸だ、あの男の。」 父が出てゆくとみんな頭を揃えてさげて、 「ありがとうござ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ち》じゃあね、あれごらん、唐茄子に乾棹《ほしざお》とられてだよ。」 藤木さんは秀逸らしくいって、 「だけど、うんと大きくして、油町へもってったって、こいつあ一....
台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
春はやはり豊かである。草木の繁茂は云うまでもなく、花も豊か、果物も豊かだ。果物の秀逸はパパイヤであろうか。その味はバナナにまさることは勿論であるが、マンゴーには....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
だ。さてその次は何者だな?」「このお杉だと申しますことで」「アッハハハハ、これは秀逸だ。実際お前は不思議な女だ。見さえすればおかしくなる。ところでしまいのもう一....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
き馴《な》れたり。 「独楽※《どくらくぎん》」と題せる歌五十余首あり。歌としては秀逸ならねど彼の性質、生活、嗜好《しこう》などを知るには最《もっとも》便ある歌な....
蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
から、腹に卵を抱えているものだけを選びだして、沼津へ送るのである。沼津には、技術秀逸なからすみ製造工場がある。そこで、卵を立派なからすみに仕上げて、これを長崎へ....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
に、ルパンは素早く帽子を鷲攫みにしてプイと室外へ抜けた。 『今の趣向は我ながら。秀逸々々』と彼は玄関を通りながら笑った。『面喰った醜態ったらないね。毒薬と思いき....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
外観すこぶる美大なるも、内容はこれに伴わず。絵画の数少なく、かつ衆目を引くほどの秀逸なるものを認めず。 十一月五日(日曜)、晴れ。電車にて市外ラパルマに至り、....
猪鹿蝶」より 著者:久生十蘭
ぎれ》の両面つづれの帯……山浦の織元をやめてひっこむ前に、一反だけ織った織留めの秀逸でフランス代表部のモイーズさんが「無左右」の絶品だって折紙をつけたくらいのも....