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私する
「私する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私するの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たら、おそらく杉弥は詰め腹か追放に会うだろうと思って、杉弥なきあとの百合江の恋を
私することができるだろうと考えついたものでしたから、殿の怒りを激発させるために、....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
のは民人これを愛せばなり、それ民人のその君を愛するゆえんのもの豈にひとりその君に
私するものならんや、また自らその性命を愛し自らその幸福を望めばなり。 これによ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
んでね、元も子も失くしちゃ大変と、首をつないでおいて、下郎風情があのような別嬪を
私するとは不埓至極じゃ、分にすぎるぞ。手を切れ、たった今別れろと、あくどく源七ど....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。 「こういう説もあります。」と景蔵は言った。「政府がひとりで外国貿易の利益を
私するから、それでこんなに攘夷がやかましくなった。一年なら一年に、得るところを計....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
少しなまけているから、あなたは梯子段を拭いてね、私は洗濯をするから……」
「ええ
私するから、ここほっといていいよ。」
寝ぶそくなはれぼったい時ちゃんの瞼《まぶ....
「離婚について」より 著者:与謝野晶子
ようとする教育家諸先生の頭脳の古風なのに驚かねばなりません。道徳は教育家ばかりの
私するものでないのですから、その古風な頭脳のみで御判断なされずに、今の世の識者の....
「階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
者ですから、同じ資本家の手先になっている政府とはいえ、憲政会の政府よりは資本家に
私する所が露骨でないという事情もあり、また近来の官憲の中の少壮分子は不徹底ながら....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
托して間違なく金毘羅へ届けたものである。この手数は全く信仰からしたもので、それを
私する者は決して無かった。今日でもそうであるが、船に乗る者は深く金毘羅を信じたも....
「大いなるもの」より 著者:宮本百合子
ためを思い、自己を主とする主義である。 そして、自己のために最も益のある、己を
私する事は何であるか。 私は直ちに「自己の完成」と答えるのである。 堪え得ぬ....
「技術へ行く問題」より 著者:戸坂潤
は止めた方がいいでしょう、と云うのである。科学は万人のものなのだから、私達が之を
私するのはいいことではない、という一見ごく公式的な理由からだ。 すると夫は、併....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
た。 「此頃は少しなまけているから、梯子段を拭いてね、私洗濯するから……。」 「
私するから、こゝほっといていゝよ。」 寝ぶそくな、はれぽったい時ちゃんの瞼を見....
「多神教」より 著者:泉鏡花
む)ととととと。(かつ面を脱ぐ)おっとあるわい。きゃッきゃッきゃッ。仕丁めが酒を
私するとあっては、御前様、御機嫌むずかしかろう。猿が業と御覧ずれば仔細ない。途す....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
状を不満に思ったが、今日はあの時よりももっと特別な好意を持たれただけに人類の宝を
私するという感じは一層強く起こらないわけに行かなかった。いい芸術はまず第一にそれ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ぞろ涙を催したが、熱風の裡から声を励まして、 「火を消せ。消火につとめろ、財物を
私するな、逃げおくれた老幼は保護してやれ、宮門の焼け址へ歩哨を配置せい!」と、将....