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「私人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
島原心中」より 著者:菊池寛
いました。僕らは、引き上げようとして、俥が来るのを待っていたときです。臨検中は、私人が二階へ上るのを、一切禁じてあったのですが、もうすべてが終ったので、家人の上....
」より 著者:島崎藤村
の許を得て、一夏を姉の許に送ろうとして来たのである。 三吉が通っている学校は、私人の経営から町の事業に移りかけているような時で、夏休というものもお福の学校の半....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
ものである。 何ゆえに自分がここでこのような、読者にとってはなんの興味もない一私人の経験を長たらしく書き並べたかというと、これだけの前置きが、これから書こうと....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
ノともせず、ただひたすらに急がねばならぬ。それが町医者というものだ。 町医者は私人としての生活をすくなからず犠牲にしなければならないものだ。急病人の知らせをき....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
が納得できるものではない。 然し、農林大臣の正直らしい告白も、大臣としてでなく私人としてヤミをやってる、とあっては怪しいものだ。私人の腹の裏側に大臣という霞を....
未来のために」より 著者:坂口安吾
等の技法は常にその眼が過去に向けられ、未来に向けられることがない。過去とは常に一私人の行為に限定せられるものであるが、それを称して「実人生」という。その実人生の....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
可能だと妙な声明書を発表したことがあったが、右の新聞の筆法だと、天光光なる娘は、私人のほかに公人として行動し、もう一つ、父の身代りとして、三重に生きているヤヤコ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
マとあるところから、百済の聖明王が欽明天皇に伝えた仏教と別系統に、帰化人の誰かが私人的に将来し崇拝していたのが起りだろうとも考えられているようだ。それも有りうる....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ができた。今のパル・マルにある立派な建物はまだなくて、ウォータールー・プレースの私人の家に、学者や文学者が集ったので、ファラデーはその名誉秘書になった。しかし、....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
三年十月其処でしずかに瞑目したのである。 彼女の一生は実に単純であり、純粋に一私人的生活に終始し、いささかも社会的意義を有つ生活に触れなかった。わずかに「青鞜....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
ぐはぐなものになる。時の内務大臣ドゥルノヴォは政治的考慮から、初めのうち救済への私人の発起を抑えて、赤十字や教会の手にこれを一任した。だがトルストイのようながむ....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
また相当の古書であるとは云え、少くも平安遷都を遡らざる時代のものであり、しかも一私人の簡単なる編著であるが上に、その庚午火災に関する記事は、他の史実がすべて太子....
審判」より 著者:カフカフランツ
、Kは言った。 この質問への返事はKを心からよろこばせた。ことにそれが、一人の私人に対して、したがってなんらの責任もなく言えたためであった。まだ誰も彼にこんな....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
なんかではないということを知っています。もし私が意見を述べるならば、それは一個の私人の意見であって、ほかの任意のだれかの意見よりも少しだって重要というわけのもの....
偶言」より 著者:津田左右吉
偏しているように思われたのには種々の理由がある。芸術が公衆的翫賞に供せられずして私人的であるために小規模のものとなり、従って調子の低い、また小器用なものが尚ばれ....