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私共
「私共〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私共の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ある朝の事でございます。日頃は人の多い御屋形の侍所《さむらいどころ》も、その時は
私共二人だけで、眩《まば》ゆく朝日のさした植込みの梅の青葉の間からは、それでも涼....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
かをお前たちはまだ知るまい。私たちはこの損失のお蔭で生活に一段と深入りしたのだ。
私共の根はいくらかでも大地に延びたのだ。人生を生きる以上人生に深入りしないものは....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
民子にも不憫《ふびん》な死にようをさせ、政夫さんにも申訣のないことをしたのです。
私共は如何様にもあなたにお詫びを致します。民子可哀相と思召《おぼしめ》したら、ど....
「転機」より 著者:伊藤野枝
眼をやりながら、そこに立ったままで、思いがけない、はっきりした調子で話した。 「
私共がここに残りましたのも、最初は村を再興するというつもりであったのですが、何分....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
鍛冶屋の職人をしていたのです。 彼が、しげしげと私の家に来るようになったのは、
私共が、田端で火事に焼け出されて、滝野川の高台の家に越してからでした。 それ程....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
やはりその思想に育てられたのです。私の属していた青鞜社の人々の思想もそれでした。
私共の主張は個人の自由を要求する事でした。しかもこの主張に関しての実際の大きな運....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
懃に手を突いて、 「それでは、お緩り御寝みなさいまし、まだお早うございますから、
私共は皆起きております、御用がございましたら御遠慮なく手をお叩き遊ばして、それか....
「不周山」より 著者:井上紅梅
何?」彼女は今までこんな風な話を聴いた事もなかったので、非常に不審に思った。 「
私共の軍隊は敗走し、
私共の后はそのためにその頭を不周の山に打ちつけられ、そのため....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
んだ細君は浮ばれないぞ、と叱るのです。 その中に友達は遂に自殺をしました。早速
私共も行きましたが、千葉の勝浦の権現堂のある山の頂上で死んでいました。其処は死ん....
「画道と女性」より 著者:上村松園
も容易に勤められもせず、中途半端では却って気の毒な結果に陥りたがるものです。よく
私共のところにも遠方の見ず知らずの若い人達から手紙が来たりして、どんな苦労でもす....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
で、親戚の家へ一人で招ばれてゆきました。 その頃、木版画や錦絵を並べている店を
私共は「絵やはん」と呼んでいました。「絵やはん」の前を通るとこれが目に止まり、絵....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
気持のするので、何処までも確めてやろうと段々考えてみると、元来この手桶というは、
私共が転居して来た時、裏の家主で貸してくれたものだから、もしやと思って、私は早速....
「「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
利くから、怖くって怖くって、仕方がなかった。」って言っておりましたよ。 祖父は
私共の知っておりました時分でも、猫は大嫌いなんで御座います。
私共が所好で飼ってお....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
画共進会の、海辺に童子がはだかでいる絵は、その筆力なり、裸体の表現などが、当時の
私共には、大変物珍しく、そして新しいもののように感ぜられたのでした。取材表現のみ....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
生懸命写し取ったものでした。それから当時は祇園祭の時分の屏風祭が又見ものでして、
私共は今年はどこそこに応挙の絵が出るとか、山楽はどの家にあるとか聞いては写しに行....