私宅[語句情報] »
私宅
「私宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
座いますから」と自分が言うを老人は笑って打消し、 「大丈夫だよ、今夜だけだもの。
私宅《うち》だって金庫を備えつけて置くほどの酒屋じゃアなし、ハッハッハッハッハッ....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
っとしてわれに返っていた。彼らが急いで帰り支度にかかっている時だった。中川淳庵の
私宅から、小者が赤紙の付いた文箱を持って、駆けつけてきた。 淳庵は、その至急を....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
が、この事件に限って冒頭から関係を持つに至った。と云うのは、彼と友人の支倉検事の
私宅が聖堂の付近にあるばかりでなく、実に、不気味な前駆があったからだ。時鐘の取締....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
れから用達を致し、新宿より山の手線の電車に乗り、目黒駅に下車し、自宅へ帰る途中、
私宅より三町程離れた野原の蓋なき古井戸へ貞を突き落としました。 こう云う風に予....
「中庸」より 著者:坂口安吾
直室は公器である。同僚の危急見るに忍びないのは結構であるが、それでは何故に彼らの
私宅を開放して収容しないのであるか。村の公器を私用に供するとは奇怪なる汚職事件で....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
全財産のみならず、私物一切奉納して、奉公いたします。皆様の宿舎には、社の寮、私の
私宅、全部提供いたします」 「コウーラッ!」 よろこぶかと思いのほか、神の使者....
「光は影を」より 著者:岸田国士
も別にビルディングがあるわけじやない。仲間の一人を社長ということにして、そいつの
私宅を事務所に使つてるんだ。そうさな、お前が来るというなら、熊谷の工場の監督でも....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
雷雨の中を引上げて行った。所が、それから五日目の夜、突然検事が招かれたので法水の
私宅を訪れると、彼は憔悴し切った頬に会心の笑を泛かべて云った。 「やはり支倉君、....
「小林さんと私のツキアイ」より 著者:坂口安吾
小林さんと私のツキアイ 坂口安吾 小林さんにはじめて会ったのは、青山二郎の
私宅であった。そうだなア。あれは、私の二十六の時らしいな。すると、昭和六年、頃は....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
まま)「なにも、そう一々、鹿爪らしく御叩頭には及ばないよ。御殿で勤め中と違って、
私宅で休暇中なのだから、まだ外に、したい事は何なりと思いつくままにするがよろしい....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
っている。昨夜は僕の二十年来の親友であり、目下は満洲日報社主筆である竹内克己氏の
私宅で、支那服のよく似合う同氏の奥さん富子夫人や、僕の叔父の今井行平などと共に晩....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
――二の橋の待合から電話を掛け、当分病気だといって断ったのに、すぐに翌日、白山の
私宅へ来た。―― 「――お懐しい。」と袴の膝を不遠慮に突きつけた、被布で胡麻塩の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は英国とやや異なり、結婚を行うもの必ずしも寺院に至るを要せず。寺院の僧侶を招き、
私宅にありて執行することありという。 スコットランド国教宗の大会議は、まず英国....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
むいていた。 大示威運動が過ぎ、太閤さんと、大塩平八郎の帰った後、賀川市長も、
私宅に引上げることにした。 彼の
私宅は、大阪市の南端|後宮の木賃宿の裏にあって....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
素振だったが、急に通りかかった円タクを止めて、 「急用を思い出したから、ちょっと
私宅へ寄ります。立ち話も出来ない。一緒にお出で下さい」 と本庄を顧みて云った。....