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私家
「私家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私家の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
上げます、長二郎は伎倆と申し心立と申し、男として不足の廉は一つもございませんが、
私家は町人ながらも系図正しき家筋でございますれば、身分違いの職人の家へ嫁入りを致....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
。庸三はその言葉が本当には耳へ入らなかった。 「あんたに家庭がやれますか。」 「
私家庭が大好きなんですの。」 「それあ刺繍や編物はお得意だろうが、僕の家庭と来た....
「黴」より 著者:徳田秋声
ているようなその顎を突き出して、秩序もなく前後のことを話した。 「晩方になると、
私家を脱け出して、お鈴の部屋借りをしていた家の前へ立っていたんですよ。すると二人....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たびに腹が立つ。憎いやつで、水の出た時にの、聞いてくんなされ。 あんたの家も、
私家も、同一に水びたり。根太の弛んだはお互様じゃが、私が家など、随分と基礎も固し....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
もう、お大事になされませ、今にまたあの犬を連れた可厭しいお客がござって迷惑なら、
私家へ来て、屈んで居ッさい。どれ、店を開けておいて、いかいこと油を売ったぞ、いや....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
合が悪い。 「あゝ、遊びにお出で。……けれども今は一寸家の都合が悪いから、その内
私家を変ろうと思っているから、そうしたら是非来ておくれ。」 私は、その時初めて....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
はい、国の家を立てれば二度でも三度でも旦那様のお顔も見てえから出てめえりやすが、
私家は国でも三百石の田地持で、山もえらく持って居りやんしたが、母さまの心得違いか....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
て世帯の一分《いちぶ》を助け、非常の勉強に非ざれば、この際に一反を余《あま》して
私家《しか》の用に供するを得ず。娘の嫁入前《よめいりまえ》に母子《ぼし》ともに忙....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
十九年夏、戦争非協力文学のゆえをもって私が禁筆の厄に遭っていた時、結婚三周年記念
私家豪華限定版の名に隠れて『寄席噺子』なる随筆集をせめても開版した時、彼女と同じ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
『万葉集』以下の古歌を採った。古来の歌の文献は、『万葉集』『古今六帖』をはじめ、
私家集・歌合など、いずれも分ったものばかりだから、各撰者の用いた資料もまた殆ど共....