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「私意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私意の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
の叙述であります。好悪の念を離れたる描写であります。したがって褒貶《ほうへん》の私意を寓《ぐう》しては自家撞着《じかどうちゃく》の窮地に陥《おち》いります。こと....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
止まず、幕府に対する苛酷の処置は岩倉卿を初め、薩長二藩が至上の御幼少なるに乗じて私意を逞しゅうするものであるから、兵力に依って、君側の奸を除く外ないと切言する。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
択の責は当然私が引受けなければなりませんが、しかし通信の内容は全然原文のままで、私意を加へて歪曲せしめたような個所はただの一|箇所もありません。その点は特に御留....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ょう。何と微笑まれるでしょう。 意気地を出して勉強おし、というところ。そうお?私意気地なし? ソラ勉学勉学というの思い出します。二十日までには、やっぱりぎっし....
新撰組」より 著者:服部之総
京仕り候へども、一点の禄相受け申さず候間、尊攘の大義相願ひ奉り候。万一皇国を妨げ私意を企て候|輩《ともがら》これあるに於ては、たとへ有司の人たりとも、聊《いささ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
で、定家もそのまま写したのであろう。定家は作品の写しを作るときには、如何なる誤も私意ではなおさぬというような、そうした学者的な神経を何時でも見せる人である。だか....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
前後の敵、腹背の難――さすがに迷いみだれていた。 が、疾駆する間に、かれは、私意や憎悪にとらわれて、人を目標とする剣争のムダなことを悟った。 鍵! 阿波の....
三国志」より 著者:吉川英治
、当今、彼に匹敵するものはありません。――ただ独りわが主君劉予州は、大義あって、私意なく、その強敵と雌雄を争い、いま流亡して江夏に籠っておりますが、将来のことは....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
宝からぬ口さし出申候から……云々」の一節の如きは、明かに、幕政を利用して宗門上の私意を遂げた、崇伝等に対する沢庵の皮肉である) しかし、家光の再三の召しに依っ....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
なありさまとなったので、軍部の宣伝が宣伝であって事実ではなく、その宣伝はかれらの私意を蔽うためであったことを、明かに見やぶることのできない人々の間に、この敗戦も....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
の非学問的な解釈は、このような固陋な思想や近年における権力者の政略から出て甚しき私意を含んでいるもののみではなく、学者によって唱えられたものもある。それは学問的....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
ては幽霊ではない。従って「そこには幽霊がうようよしている」という表現には採集者の私意が加わっているようである。「幽霊の方がバタバタと死んでしまった」という云い方....