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「私書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私書の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
だけで、どの部屋にも客がないので、さながら城楼に籠もったように閑寂していた。 「私書きかけているものがあるのよ。出来あがったら見ていただくつもりで、一生懸命馬力....
道標」より 著者:宮本百合子
階段は、大玄関とは別の、茶色のドアのなかにあった。事務室のそとの廊下に、郵便局の私書箱のような仕切りのついた箱棚があって、在留している人々の名が書いてはりつけて....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
」 「何故だか存じませんけど発送人の名前も何もなくて、宛名は中央郵便局留置27号私書|函、エム・コール殿となっておりました」 「エム・コール……知らない人間だな....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
可いだろう。」 「でもあなた言って下さい。」 「じゃ宮とでも何とでも。」 「……私書けない。」 「書けないことはなかろう、書いてごらん。」 「あなた神経質ねえ。....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
答案調べやなんかでとても隙がありません。 「それじゃお話して下さいませんかしら。私書きますから。」 いつ? と尋ねると、只今、と云うんです。 僕は苦笑しなが....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
不当であります、私が何をしたかおっしゃらずに、私を侮辱されるのは。」 大公爵は私書官の方をふり返った。私書官はポケットから一枚の新聞を取り出して、それを大公爵....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
Restante, Granatos, Budapest. ブダペスト郵便局私書函である。 維因納《ウインナ》の新聞にはこんなのが出ていた。 先ずおんみ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ムスに馳せつけエセックスに渡した。命令書に交じって女王からエセックス将軍にあてた私書は、次のような荘重なものだった――「朕は、あらゆるものを創り行ない給う神にこ....
せいばい」より 著者:服部之総
ことを茲《ここ》に宣告し、命令するものなり。――額に貼布する文言に曰《いわ》く、私書偽造ならびに醜悪なる恐喝、および数々の卑劣なる犯行によりて罰せらるる者也」。....
三国志」より 著者:吉川英治
の閣へもどってきた。 「なんであろうか」 玄徳は、使者からそっと渡された曹操の私書を、早速、そこでひらいて見た。 「……呂布を?」 彼は眼をみはった。 何....