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私有財産
「私有財産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私有財産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
、復讐は善と称し難いと云った。それから社会主義の某首領は蟹は柿とか握り飯とか云う
私有財産を難有《ありがた》がっていたから、臼や蜂や卵なども反動的思想を持っていた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かないのである。この時代にはもはや文字記録は寺院僧侶という有権階級のみに限られた
私有財産ではなくなって普通の人民階級中にも広がっていた。ただしそれは最富有な階級....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
る。殉死は往々最高の道義的殉情の発露だと説明されるが、之は家臣という奴隷が一つの
私有財産であったという所有関係(生産関係の直接の表現)を示すに他ならぬ。姨捨山は....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
、どこをほっついたっていゝこたない、と思って帰って来た。 だが土鼠には、誰れの
私有財産でもない太陽と澄んだ空気さえ皆目得られなかった。坑外では、製煉所の銅の煙....
「科学論」より 著者:戸坂潤
歴史的発達は、云うまでもなく存在の自然史的。 * 例えばF・エンゲルスの『家族・
私有財産・国家の起源』はこの研究の古典的な一例である。 併し史的唯物論の何より....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
―が、唯物史観的根本方法によって貫かれねばならぬ。例えばF・エンゲルスの『家族・
私有財産・国家・の起源』はこの研究の代表的な一例である。――併し唯物史観の何より....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
る種の道徳律をば愈々固定しようとする意図を持っているということである。そのために
私有財産の否定と国体の否定との距離を出来るだけ大きくし、この距離をジャンプするこ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
う事実を至る処に示している。科学は社会的公共物でありながら、それにも拘らず一種の
私有財産であり、場合によっては稼業の機密にぞくする対象でさえあるからだ。 三 玄....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
で、別に盗んだ五輪の塔を売って金に代えようという意志はないのだから。なる程他人の
私有財産を勝手に商品交換過程に投げ込むという典型的な犯罪と一つではないし、又自分....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
定などは何でもいいので要するに国家という字が大切なのだが)早大の林癸未夫教授が、
私有財産制の否定者であるとして某代議士から議会の問題にされたことだ。
私有財産制の....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
大きな襯衣(この日の祝儀として、ボブが彼の子息にして嗣子なるピーターに授与したる
私有財産)の襟の両端を自分の口中に啣えながら、我ながらいかにも華々しくめかし込ん....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
るかわりに理想を白眼で昂々然と鋪道を闊歩し、男も女も子供も犬も街上に書物を抱え、
私有財産を認めない掏摸がその本を狙って尾行をつづけ、お寺の金色塔に赤旗がはためき....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
感じたことがあります。それはキリスト教とパンの問題です。キリストの十字架を負えば
私有財産も家庭生活もできないことになりますが、しからばいかにしてもパンを得たらば....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
ンド党の徒や謹厳なロベスピエールは、財産の平等などという言葉を聞くと、民衆がもう
私有財産を尊敬しないのかという考えだけで慄えていた。何故なら、彼等はそれを過去か....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ありますから、無論良民すなわち普通の人民と結婚することも出来なければ、全く主人の
私有財産で、代々|家人としてその主家に仕えていたのであります。そういう卑しい家人....