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私淑
「私淑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私淑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
葛城は九州の士の家の三男に生れた。海軍機関学校に居る頃から、彼は外川先生に
私淑して基督を信じ、他の進級、出世、肉の快楽にあこがるゝ同窓青年の中にありて、彼....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
興味のあることだ)。彼はその弾性ある独創的な理解力によって、夙にヘーゲルの哲学に
私淑し、ここからマルクス主義の哲学的正統が唯物弁証法になければならない事を確実に....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
観に接近したのは単に一人の烱眼な歴史哲学者の同情心からに過ぎなかった。三木が最も
私淑しているのは今は知らぬがしばらく前までは波多野精一博士である。博士のプロテス....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
話で引受けてる陸軍省の安価な飜訳……徒らに書き散らしてる詩や雑文の原稿……盛岡で
私淑していたフランス人の牧師から貰った聖書《バイブル》……ファーブルやダーウィン....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を表現し、コンブフェールはその自然なる権利を表現していた。前者はロベスピエールに
私淑し、後者はコンドルセーに接近していた。コンブフェールはアンジョーラよりも多く....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
員学生の一身上の心配までした。 鉄腸|居士を父とし、天台道士を師とし、木堂翁に
私淑していたかと思われる末広君には一面気鋒の鋭い点があり痛烈な皮肉もあった。若い....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
創立百年記念式にはトーマス・ヤングの業績について講演した。レーリーが深くヤングに
私淑していたであろうということは、二人の仕事の一体のやり口を比較すれば自ずから首....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
いが、決してそれを責めることは出来ない、聞けば山村彦太郎は、賢人松平越中守様に、
私淑しているということだが、ひょっとかすると越中守様の、何んとはなしの指金により....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
みの人生を何の誇張もなく「縮図」している見事さは、市井事もの作家の武田麟太郎氏が
私淑したのも無理はないと思われるくらいで、僕もまたこのような文学にふとしたノスタ....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
の人の帰還がたのしみである。この人が帰れば、上京して会いたいと思う。その作家魂を
私淑し、尊敬しながら、なんだか会うのが怖い作家は、室生氏である。会う機会を得た作....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
吉先生は学者として、識見家として尊敬すべき方であるが、出版の先覚としても私は常に
私淑している。先生が出版に関して真に世のためになる良書ならば経済的にも酬いられる....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。関氏は福地桜痴居士の後をうけて日日新聞を経営していた関係上、すこぶる桜痴居士に
私淑していたばかりでなく、かの“演劇改良会”の幹事か評議員かを勤めていたので、劇....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
』の発行されたのはあたかも侯井上の欧化政策時代であって、その頃学堂はジスレリーに
私淑しているという評判だった。が、政治家としての尾崎は相応に見識があったろうが、....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
の主人はかわり者で名高い、河村清雄先生の絵が以前沢山あったものだ。河村先生は私は
私淑した事はないが、今となってみると先生の洋行時代のあの古い西洋くさい画もなつか....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
吹聴をすることに止めて置く。そして以上二書の間には何の聯絡もないが、春水は三馬に
私淑したというから、先ず此に僅かの繁りを認め得るとして置こう。....