私設[語句情報] » 私設

「私設〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私設の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
に、新宿へ三十分、渋谷へ三十八分と、一字一字二尺平方くらいの大きさで書かれて居る私設電車の絵看板、ちらと見て、さっさと橋をわたりはじめた。からころと駒下駄《こま....
めくら草紙」より 著者:太宰治
人に手渡した。 家人がお隣りへ行って来ての話に、お隣りの御主人は名古屋のほうの私設鉄道の駅長で、月にいちど家へかえるだけである。そうして、あとは奥さまとことし....
みちのく」より 著者:岡本かの子
には好意を寄せて無賃で乗車さす任意の扱《あつか》いが出来たというから東北の鉄道も私設時代の明治四十年以前であろう。この町に忽然《こつぜん》として姿の見すぼらしい....
地球盗難」より 著者:海野十三
懸けて、そして例の秘密を喋らせようというのだ。同時に佐々は彼の得意中の得意とする私設電話術、別名盗聴法を活躍させ、宿にいながらにして大隅学士に甚平の喋っていると....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あって、東山道工事中の鉄道幹線建設に対する政府の方針はにわかに東海道に改められ、私設鉄道の計画も各地に興り、時間と距離とを短縮する交通の変革は、あだかも押し寄せ....
古狢」より 著者:泉鏡花
似ていた。 「あの煙突が邪魔だな。」 ここを入って行きましょうと、同伴が言う、私設の市場の入口で、外套氏は振返って、その猪の鼻の山裾を仰いで言った。 「あれ、....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
動が起りつつある由であるが、自治がどのような方法で行われるのか、自治運動が学生の私設憲兵化をまねかなければ幸いである。 先日散歩していたら、ラジオ屋の人だかり....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
り。それらの内、あるものは活坑なれどもその他は廃坑なり。しかして右の内、本線より私設線を炭坑の入口まで引込みおるもの七ヶ所あり。いずれも長さは二三|哩に過ぎず。....
次郎物語」より 著者:下村湖人
すよ。」 「変なこと? 何でしょう。」 と、朝倉先生が眼を見はると、 「全国の私設の青年指導機関の連合組織を作ってはどうか、というんだそうです。」 「それで思....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
ッフェが来た時、二葉亭が一枚会合に加わっていたらドウだったろう。あの会合は本尊が私設外務大臣で、双方が探り合いのダンマリのようなもんだったから、結局が百日鬘と青....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
その暇もありませんけれども、もともと国家の軍隊や警察とは関係なく、別に武士という私設の軍人が出来たということは、まことに妙な次第であります。これと申すも貴族の多....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
だ。 喪心した二人の身体は、市長の監房の隣に横たえられた。 その夜賀川市長は私設裁判所の前に引張り出された。そこには市長反対派のすべての議員が集っていた。 ....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
の側の人々のみ非常に殖えた上に、世の中の秩序も定まり、国家の取締りも行き届いて、私設の警察の必要がだんだんと少くなったものですから、自然失業の警察吏が無数にでき....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
呼んだことがありましたのは、明らかに長吏または長吏法師の義であります。したがって私設警察の必要を感じた町村では、優待条件をもって、歓迎して移住を求めました。そし....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
立てて市の公園にするとかいう噂も幾度か聞いたが、そのままお流れになって今のような私設の水上公園(?)になったものらしい。誰の計画か知らないがいろ/\の意味でいい....