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私邸
「私邸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私邸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
はあるまいか。――そうだ、無いこともない。 僕は決心を定めて、その夜雁金次席を
私邸に訪い、退職の件を願いいでた。この物優しい先輩は、いろいろと僕を慰めてくれ、....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
校時代に英語を教わった人々、その中で自分などのように俳句をも教わったために先生の
私邸に出入することのできた果報ものもある。もしかすると逆に出入するために俳句を教....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
落着て在宿していた事は稀《まれ》だという。日曜日には、御機嫌伺いと号して課長殿の
私邸へ伺候し、囲碁のお相手をもすれば御私用をも達《た》す。先頃もお手飼に狆《ちん....
「道標」より 著者:宮本百合子
新様式(ヌーボー)で建てられている建物を見まわした。いずれは誰かモスク※の金持の
私邸として建てられたものだろう。表玄関からホールを仕切る大扉の欄間がステインド・....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
となっている。何事かと思って封を開いて見ると、それは明後日の午後六時から、男爵の
私邸で小宴を開くから来てくれという意味の、儀礼をつくした案内状で、最後に出席する....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
でなく、その実験室で北光に関する有名な真空放電の実験を見せてもらったり、その上に
私邸に呼ばれてお茶のごちそうになったりしたことがあったので、すぐに昔の顔を再認す....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いのですよ。お上もあなたのことを御心配しておいでになります」 と仰せになって、
私邸に行っておいでがちな点で御忠告をあそばしたために、兵部卿の宮は時が時であった....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
。 ヘルマンは古典に通じていて、気象の講義にも色々古典の引用が出て来た。いつか
私邸に呼ばれたときにその自慢の豊富な書庫を見せてもらったことがあったが、その蔵書....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
テルに一室を取っていて、大西路の家とまあ半々の生活をしていた。謂わば大西路の方は
私邸であり隠棲であり、パレスの方は公館であり事務所であった。 私のところからパ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
南には最近十四、五年間会った事がない。それ以前とて会えば寒暄を叙する位の面識で、
私邸を訪問したのも二、三度しかなかった。シカモその二、三度も、待たされるのがイツ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
術の勃興は欧洲文化を尊重する当時の気分に発途した。 井侯が陛下の行幸を鳥居坂の
私邸に仰いで団十郎一座の劇を御覧に供したのは劇を賤視する従来の陋見を破って千万言....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
所にあった。――エセックス邸、ストランドにあって川を見おろす、大きなゴシック建の
私邸の、板張りの広廊下や壁掛けに飾られた密室のなかにあった。そこでは、アントニイ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
半数を占むるも珍しく感ぜり。これ、中等教育の教員を養成する故なり。当夕、同教授の
私邸にて晩餐を授けらる。各室四壁みな古器物をもって満たさる。ここに数日間、教育会....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
。君子の清雅であるとさえ思っていた。 すると或る朝。柳営御用達の金持の主が彼の
私邸をおとずれた。かくべつな用談ともみえず、唯、 『いや、飼ってもみぬ手輩は、岡....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
が、その忠右衛門も、子のためには、意志を曲げて、きょうは、老中の秋元但馬守の
私邸を訪うて来たとかいって、気だるげに、夕方、帰っていた。 「来春には、婚儀のお....