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「私領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私領の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
近時政論考」より 著者:陸羯南
に属すべきものとす。しかるに昔時にありてはかかる事物みな国民中の一部に任してその私領となせり。これ国民統一の実なきものなり。国民論派は内部に向かいてこの偏頗およ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の若者らの素通りを許さなかった。 名主文太夫は、野半天、割羽織に、捕繩で、御領私領の入れ交った十一か村の秣場を取り締まっているような人であった。その地方にある....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は尾州旗本領、あるところはいわゆる交代寄り合いの小藩なる山吹領というふうに、公領私領のいくつにも分かれた伊那地方が篤胤研究者の苗床であったのも、決して偶然ではな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、それらの弊習も改められ、勅使以下の通行に特別の扱いすることも一切廃止され、公領私領の差別なくすべて助郷に編成されることになった。諸藩の旅行者たりとも皆|相対賃....
丹下左膳」より 著者:林不忘
とおり、江戸から日光への往復の諸駅、通路、橋等の修理の儀は、公領のところは代官、私領は城主、地頭寺社領にいたるまで、すべてわれわれにおいて監督いたし、万《ばん》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
出折柄難捨置《おほせいださるるをりからすておきがたく》、依之|已来《いらい》御料私領村々申合せ置き、帯刀いたし居候とも、浪人|体《てい》にて恠敷《あやしく》見受....
源氏物語」より 著者:紫式部
源氏は今まで召し使っていた男女をはじめ、家のこと全部を西の対へ任せることにした。私領の荘園、牧場、そのほか所有権のあるものの証券も皆夫人の手もとへ置いて行くので....
飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
隷や使丁もよく逃げたし、土地に定着している農民まで税が重いので公領から逃亡して、私領へ隠れたものです。タクミもミヤコ作りの仕事場からさかんに逃げたが、故郷へ帰る....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ゃ。あはははは」 久光は、懐へ手を入れて、書付を出して来た。 「読み上げます」私領琉球国へ滞留罷在候異国人共之儀に付而者《ついては》、追々|被仰達候《おおせた....