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秉
「秉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
勝っていて、万事がおおぎょうにできすぎている。――そう思って、平気で、宗演老師の
秉炬法語《へいきょほうご》を聞いていた。だから、松浦君の泣き声を聞いた時も、始め....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
に倉子は安心の色をこそ示せ、気遣う様子更に無し、去れど目科は落胆せず、倉子に燭を
秉らせて前に立たせ余を背に従えて、穴倉の底まで下り行くに、底の片隅に麦酒の瓶あり....
「運命」より 著者:幸田露伴
もの、今存するの詩集に見えずと雖も、僧｜宗※の評せしが如く、道衍の燕に於けるは、
秉忠の元に於けるが如く、其の初の僧たる、其の世に立って功を成せる、皆｜相肖たり。....
「旅愁」より 著者:横光利一
になった。そのとき丁度電話がかかって来たので、久慈は裸体のままふと手近の受話器を
秉った。矢代は久慈に代ろうとしたが、久慈はもう、「ええ、そうです、僕矢代。」と返....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、中を覗き込んで、呪っているのではあるまいかと、神経が苛々する。 夜など、燭を
秉って、湯殿へ通うと、空には露が一杯で、十一月頃の冷たさが、ひしひしと肌に迫る、....
「青年」より 著者:森鴎外
酷なきょうだいに夫にせられて、不治の病に体のしんに食い込まれているエルラが、燭を
秉って老いたる恋人の檻に這入って来る。妻になったという優勝の地位の象徴ででもある....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
南部では今もこの猴に種々有用な芸道を仕込む。たとえば、夜《よる》、燭《しょく》を
秉《と》って遊宴中、腰掛けを聯《つら》ねた上に数猴一列となって各の手に炬火《かが....
「選挙に対する婦人の希望」より 著者:与謝野晶子
う。現代の政論には必ず現代の自由思想を背景とする所がなくてはなりません。二氏の「
秉公持平の善政」というのは何らの具体的政見も伴わない支那流の空名虚辞に過ぎないの....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
籠。 シンフォニイの最後の拍子に連れて、序曲を唱う者登場する。そのうしろに炬火を
秉る小厮たち。 序曲を唱う者は一人の青年である。ヴェネチア風の装束、而も黒の喪服....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
し、やがて『早稲田文学』、『柵草紙』等の愛読者となった。それから同級の親友｜河東
秉五郎君にこの事を話すと、彼もまた同じ傾向を持って居るとの事でそれ以後二人は互に....
「病牀苦語」より 著者:正岡子規
茎の長きことにおいて、彼は頻りに誇って居る。この短い土筆は、始めのうち取ったので
秉《へい》さんに笑われたのである、この長い土筆は帰りがけに急いで取ったので、まだ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の中に入れ、大いなる書籍を取り出し、一匹の猿を卓にしてそれを載せ、他の猿には炬を
秉らしむ。さてファウストを招きて圏の中に入らしむ。）
ファウスト（メ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
ん》を用いなければならなかった時代なので、その頃の女は、硯《すずり》を引寄せ筆を
秉《と》れば、文字を知らなくとも、おのずから候可く候の調子を思出したものらしい。....
「三国志」より 著者:吉川英治
。では、文は天下を治むるに、無用のものといわれるか」 駁してきたのは、汝南の程
秉であった。孔明は面を横に振りながら、 「早のみ込みをし給うな。学文にも小人の弄....
「山の人生」より 著者:柳田国男
野の山中において、白い姿をした女が野猪の群を追いかけて、出てくることがあると、『
秉穂録』という本に見えている。土佐では槙山郷の字｜筒越で、与茂次郎という猟師｜夜....