» 秋の野

「秋の野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秋の野の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
クララの出家」より 著者:有島武郎
めながら歩いて行った。この雑鬧な往来の中でも障碍になるものは一つもなかった。広い秋の野を行くように彼女は歩いた。 クララは寺の入口を這入るとまっすぐにシッフィ....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、藤の房の丈長く末濃に靡いた装である。 文金の高髷ふっくりした前髪で、白茶地に秋の野を織出した繻珍の丸帯、薄手にしめた帯腰|柔に、膝を入口に支いて会釈した。背....
天守物語」より 著者:泉鏡花
日はね、この姫路の城……ここから視れば長屋だが、……長屋の主人、それ、播磨守が、秋の野山へ鷹狩に、大勢で出掛けました。皆知っておいでだろう。空は高し、渡鳥、色鳥....
春さきの古物店」より 著者:小川未明
私の前にすわって、歌をお作りなされました。お嬢さまは、夏の山路という題について、秋の野原という課題について、虫や、露について、また雨にぬれた花などについて、どん....
間人考」より 著者:喜田貞吉
なんあると云ふに、…… 元真集に、 我宿に植ゑてだに見ん女郎花、ひとはしたなる秋の野よりは、 源氏物語に、 帰らんもはしたなり、心おさなく立ち出で給ふに、…....
安達が原」より 著者:楠山正雄
と思いましたが、折あしく原の中にかかって、見渡す限りぼうぼうと草ばかり生い茂った秋の野末のけしきで、それらしい煙の上がる家も見えません。もうどうしようか、いっそ....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
した。いつものとおりお祈りをすましてしまいますと、折からはぎやすすきの咲き乱れた秋の野の美しい景色をながめながら、保名主従はしばらくそこに休んで、幕張りの中でお....
おせん」より 著者:邦枝完二
てしまったら、折角鍛えたおのが芸を、根こそぎ棄てなければならぬ悲しさ。それゆえ、秋の野に鳴く虫にも劣る、はかない月日を過ごして来たが、……おせんちゃん。それもこ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
味のある青である。天も焦げよと燃えあがる※の紅ではなく、淋しい不可思議な花の咲く秋の野の黄昏を、音もなく包む青ばんだ靄である。氏はまことに質素な襟飾りを着けた敬....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
水分を一杯に吸い込んで、ふくらんだような桔梗のつぼみからは、秋が立ち初めている。秋の野になくてかなわぬすすきと女郎花は、うら盆のお精霊に捧げられるために生れて来....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
見ればともしみ大和しぬびつ」(巻三・三六七)等がある。 ○秋の野のみ草苅り葺き宿れりし兎道の宮処の仮廬し思ほゆ 〔巻一・七〕 額田王 額....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
さださん、わたしも一つお手伝いせず」 とおげんはそこに立働く弟の連合に言った。秋の野菜の中でも新物の里芋なぞが出る頃で、おげんはあの里芋をうまく煮て、小山の家....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ないで来たように、誰にも気づかれないで去ったのである。 収穫といえば、すぐに晩秋の野における農夫の労働生活が思われる。これは激しい汗みずくな、しかしまた楽みに....
山の秋」より 著者:高村光太郎
、その中に白のまじる風情はすばらしい。白花のハギを殊に牛馬は好むという。その外、秋の野山で目立つのは繖形科の花である。タラの木、ウドなどは巨大な花茎をぬいて空に....
斜陽」より 著者:太宰治
私の胸にふうっと、お父上と那須野をドライヴして、そうして途中で降りて、その時の秋の野のけしきが浮んで来た。萩、なでしこ、りんどう、女郎花などの秋の草花が咲いて....