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秋声
「秋声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秋声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
観することができたらいかに美しいことだろうかと。二日置いて九日の日記にも「風強く
秋声|野《や》にみつ、浮雲変幻《ふうんへんげん》たり」とある。ちょうどこのころは....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
小河もことごとく消えてしまった。 万事休時一息回。 余生豈忍比残灰。 風過古澗
秋声起。 日落幽篁瞑色来。 漫道山中三月滞。 ※知門外一天開。 帰期勿後黄花節。....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
怠をおぼえはじめた中年期の男女の、或はデカダン的とも云うべき恋愛心理である。徳田
秋声氏に於けるような、又は有閑夫人の青年学生に対するような、可成り遊戯的であって....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
から、そこで元来なら、我々のホトトギス仲間へ加わるべきだが、どうかしたはずみで、
秋声会の仲間となってしまった。が、相変らず私は勿論子規氏なども交際はしていたので....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
の顔に、心地よげに当った。笹村の胸にも差当り軽い歓喜の情が動いていた。 (徳田
秋声――黴) こういう描写を読むと、吾々は作者の冷徹な態度に心を打たれる。そこ....
「私は誰?」より 著者:坂口安吾
い前だろう、私が「作品」という雑誌に「枯淡の風格を排す」という一文を書いて、徳田
秋声先生をコキ下したところ、先輩に対する礼を知らない奴であるとフンガイしたのが尾....
「未来のために」より 著者:坂口安吾
としている。志賀直哉を文学の神様と称したり、宇野浩二を文学の鬼と称したり、また、
秋声を枯淡の風格とか神品と称し、そこに見られる文学精神とか精進とか、要するに過去....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
成程僕等年少の徒は度たび滝田君に厄介をかけた。けれども滝田君自身も亦恐らくは徳田
秋声氏の如き、或は田山花袋氏の如き、僕等の先輩に負う所の少しもない訳ではなかった....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
も、おのずから戦争に対する態度と心持が伺われるような気がする。 このほか、徳田
秋声、広津柳浪、小栗風葉、三島霜川、泉鏡花、川上眉山、江見水蔭、小杉天外、饗庭篁....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
う。だから、僕もひとのことを言うのはよそう。 僕は読売新聞に連載をはじめてから
秋声の「縮図」を読んだ。「縮図」は都新聞(今の東京新聞)にのった新聞小説だが、こ....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
、果してこれらの大家たちの作品が最高のものでしょうか。例えば藤村先生の文学、徳田
秋声先生の文学、志賀直哉さんの文学などは、日本的な小説伝統の限りでは、立派なもの....
「私の文学」より 著者:織田作之助
。しかし、誇張でないいかなる文学があろうか。最近よんだ作品の中で、最も誇張でない
秋声の「縮図」にさえ、私はある種の誇張を感じている。 私は目下、孤独であり、放....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
、姫柚子の一滴は、爛然として鍋のなかに佳饌の趣を呼び、時しも窓外の細雨に、二人は
秋声の調べを心に聞いた。鼎中の羮に沸く魚菜の漿、姫柚子の酸。われらの肉膚は、ひと....
「随筆銭形平次」より 著者:野村胡堂
家には、純粋に論理的な知性が絶対に必要であると云うことである。曾《かつ》て、徳田
秋声と田山花袋が、「一つ大衆小説を書いて見ようじゃないか、ハッハッハ」と話し合っ....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
まってくる、夏の間は茂っていた木の葉もやがてはこの風によって凋落する、芭蕉の梢に
秋声を起こすのもこの風、すべて人生に寂滅の第一義を暗示するものはこの秋風である。....