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「秋夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秋夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
コロと穿《は》いて、中庭をめぐり、庵寺の方へと歩き出したのは、とにかく、これから秋夜読書の快味を満喫せんがために、一通り境内の垣を見守っておかなければならぬ。か....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》の毛を切ってみました。 ただし、あの時には、自分一個の天地の隠れ家にいて、秋夜、水の如く、鬢の毛の上に流れ、一行の燈の光も微かながら冴《さ》えていたが、今....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が筆を取って、 白狼河北音書絶(白狼河北、音書《いんしょ》絶えたり) 丹鳳城南秋夜長(丹鳳城南、秋夜《しゅうや》長し) と壁に書きなぐった文字そのものが、如....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
した。『曾我物語』や、『平家』や、『太平記』や、ないしはまた足利時代に流行した『秋夜長物語』の類にも通暁した。歴史物では『神皇正統記』を愛読した。漢籍においても....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の心境には遠いな」 さびしいと見れば、さびしい。 ことばに懐古の調があった。秋夜孤燈《しゅうやことう》、それにつけても思い出すのは……。 十年一むかしとい....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
餅やく子らの時雨宿 あふひ 除夜の鐘襷かけたる背後より 静廼 三味ひくや秋夜の壁によりかかり みどり 之等は材料は有きたりの物乍ら、取扱い描出が嶄....
言語は生きている」より 著者:中井正一
に、憑かれて来た。 今から読んでいただくものは、、その病気の一つの報告である。秋夜閑語のつもりで、笑っていただきたい。 日本語としての「き」「け」を文字にす....
「良書普及運動」に寄せて」より 著者:中井正一
可能性が充分にあるのである。 かつて、学生時代、美しい良書にめぐり逢ったとき、秋夜、燈火の下、幸わいのこころもちは、かかるものかと、しみじみ味ったあの読書精神....
中元祝酒の記」より 著者:福沢諭吉
与の自由を得て、その素志を施すものというべし。また我が党の士、幽窓の下におりて、秋夜月光に講究すること、旧日に異なることなきを得て、修心開知の道を楽しみ、私に済....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
そうふううのゆうべ》と題された一篇の古詩を思起す。 秋花惨淡秋草黄。 耿耿秋燈秋夜長。 已賞秋窓秋不尽。 那堪風雨助凄涼。 助秋風雨来何速。 驚破秋窓秋夢緑。....
三国志」より 著者:吉川英治
そっと抱えて、外へ出ると、孔明はふかく夜の大気を吸い、 「ああ、美しい」 と、秋夜の天を仰ぎ見ていたが、突然、何事かに驚き打たれたように、悪寒が催してきたとい....
ゆめの話」より 著者:室生犀星
へかえって来ました。多門の屋敷は小路の角にあって、門番の明り窓がほんのりと冷たい秋夜のなかを染めているだけで、あとは溝ぎわに、おけらの啼くこえだけがぴろろろろと....