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秋陽
「秋陽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秋陽の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「播州平野」より 著者:宮本百合子
、あいだには歌をうたい、しかし車からは離れずついて来る。 微風に梳《す》かれる
秋陽は、播州の山々と、畑、小さい町とそこの樹木を金色にとかし、荷馬車は、かたり、....
「伸子」より 著者:宮本百合子
、黄色くなって来る庭の芝を見て暮していた。その間の気持や、今自分達二人が、透明に
秋陽のさす庭で、薔薇を剪る剪らぬと云い縺れている心持。烈しく愛し合っていた筈の二....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
城下における立派な武士の令嬢と云っても充分通る容姿であった。 その美しい山吹が
秋陽に半顔を照らしながらシクシク泣いているのであるから、ちょっと形容出来がたいほ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
のだが、それがどうした――」
橋の下から見あげて、そう問いかえす左膳の片眼は、
秋陽を受けて異様に燃えかがやいている。
泰軒はぐっと欄干につかまって、乗り出し....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
わ。でも、私達のは、ちょっと午後行って、鳩を撃つ位いのものですから、沙漠の強烈な
秋陽に照らされて来るばかりです。 もう晩いのよ。一時ですの。まだ晩御飯を食べて....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
に伸ばしていた。山の肌はまだ蒼い。腰の辺りに幾とせ消え残る万年雪が、まだらに白く
秋陽に輝いていた。河口には、左にも右にも遠く白砂が続いている。白砂が陽炎に消えた....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、思いがけないよい機を、どうかして遁すまいと、九条安治川の渡舟小屋の側に立って、
秋陽に縒れる川波をまぶしそうにしてたたずんでいた。 「そして弦之丞様は、キット来....