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秋霜
「秋霜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秋霜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
思い立った一儀じゃ。止めだて一切無用じゃ」と、忠直卿は凜然といい放った。そこには
秋霜のごとく犯しがたき威厳が伴った。こうした場合、これまでも忠直卿の意志は絶対の....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
曲なるに随はず。天命歴然として遁るゝ処なし」とある。少し仏法臭を帯びては居るが、
秋霜烈日の如き遺言である。名高い桜井の訣別の際の教訓にしてもそうだが、兎に角|斯....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
も――」 「国政多難の昨今、廟堂に立つものにその位の敵あるは当り前じゃ。行けい」
秋霜烈日とした声だった。 斥けて対馬守は眼鏡をかけ直すと、静かに再び書見に向っ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ったか丹波、突然その釣瓶落しを振りかぶるが早いか、それこそ、秋の日ならぬ秋の霜、
秋霜烈日《しゅうそうれつじつ》のいきおいで、大上段に斬りつけたのです。 源三郎....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
激発した。 咄《とつ》、汝|腐儒《ふじゅ》。朕汝が望を許さん。 暴君の一令、
秋霜烈日の如し。白刃一閃、絶世の高士身首その処を異にした。 パピニアーヌスは実....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
◇ こんな風だったから翁が恐れられていた事は非常なものであった。実に
秋霜烈日の如き威光であった。 能の進行中、すこし気に入らぬ事があると楽屋に端座....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
る人間的離愁がただよっていないという事はない。すでに斯うして武装した軍隊を見ると
秋霜凜冽《しゅうそうりんれつ》、矢も楯もたまらぬ、戦わざるにすでに一触即発の肉弾....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
られたもので、明治大正昭和に亘って思想界宗教界の巨人であった。ことにその厳として
秋霜烈日的なる人格は深く畏敬せられ、自ずと衆人に襟を正さしむるものがあった。そし....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
異客、毎逢佳節倍思親、遙知兄弟登高処、※挿茱萸少一人、手種茱萸旧井傍、幾回春露又
秋霜、今来独向秦中見、攀折無時不断腸、 昔中国から来た呉茱萸が今日本諸州の農....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
船虫 閉花羞月好手姿 巧計人を賺いて人知らず 張婦李妻定所無し 西眠東食是れ生涯
秋霜粛殺す刀三尺 夜月凄涼たり笛一枝 天網|疎と雖ども漏得難し 閻王廟裡|擒に就....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
エヌさんが、息を切らして打つのをやめると、キャラコさんは、しずかに立ちあがって、
秋霜のような威厳で命令した。 「レエヌさん、あなたがなさったのは、たいへんいけな....
「将来の日本」より 著者:田口卯吉
比喩艶絶。これを一読するに、温乎として春風のごとく、これを再読するに、凜乎として
秋霜のごとし。ここにおいて、余初めて君また文壇の人たるを知る。 今この夏、また....
「徹底的な浜尾君」より 著者:甲賀三郎
である。だから浜尾君をよく知らないものは、彼から春風駘蕩たるものを感ずるよりは、
秋霜烈々たるものを感ずる事が多かったらしい。私がここに浜尾君が非常に親切で、且つ....
「名もなき草」より 著者:小川未明
け見出されなければならぬ。そして、それ以外には、恐らく、見出されないものだろう。
秋霜にひしがれ枯れた、名もない草は、早くも、来年の夏を希望する。そして、その刹那....
「三国志」より 著者:吉川英治
みを見て、趙子龍も、 「やあ」 ニコと、笑った。 玄徳の和やかな眸。 彼の
秋霜のような眼光。 それが、初めて相見て、笑みを交わしたのであった。 公孫※....