秋風[語句情報] »
秋風
「秋風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秋風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ないにちがいない。
内供は心の中でこう自分に囁《ささや》いた。長い鼻をあけ方の
秋風にぶらつかせながら。
(大正五年一月)....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
変不思議な法力《ほうりき》に、驚くような事が出来たのでございます。
それはもう
秋風の立ち始めました頃、長尾《ながお》の律師様《りっしさま》が嵯峨《さが》に阿弥....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
て見たが、結局何の由縁《ゆかり》もない他人だと云う事が明かになった。その内にもう
秋風が立って、城下の屋敷町の武者窓の外には、溝を塞《ふさ》いでいた藻《も》の下か....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
した存在を保っているとすれば、彼等の一群は今夜も亦|篠懸《すずかけ》を黄ばませる
秋風と共に銀座へ来ているかも知れないのである。
Blanqui の夢
....
「或る女」より 著者:有島武郎
しまいには一かたまりの家屋ができる。それがシヤトルであるに違いない。うらさびしく
秋風の吹きわたるその小さな港町の桟橋に、野獣のような諸国の労働者が群がる所に、こ....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
それで其朝は何んだか知らねいが、別《わ》けて心持のえい朝であった、土用半ばに
秋風が立って、もう三回目で土用も明けると云う頃だから、空は鏡のように澄んでる、田....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
残らず焼き払った天の火である。予は新たに建てらるべき第二の函館のために祝福して、
秋風とともに焼跡を見捨てた。 札幌に入って、予は初めて真の北海道趣味を味うこと....
「振動魔」より 著者:海野十三
を伝えることができるように思われる。庭の桐の木の葉崩れから、カサコソと捲きおこる
秋風が呉子さんの襟脚にナヨナヨと生え並ぶ生毛を吹き倒しても、また釣瓶落ちに墜ちる....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
江の蘆は名のみ聞く、……湯のような浅沼の蘆を折取って、くるくるとまわしても、何、
秋風が吹くものか。 が、一刻も早く東京へ――唯その憧憬に、山も見ず、雲も見ず、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、小皿をそこへ、二人分。糸七は俯向いた。一雪よ、聞け。山果庭ニ落チテ、朝三ノ食|
秋風ニ※クとは申せども、この椎の実とやがて栗は、その椎の木も、栗の木も、背戸の奥....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
みる、小宮山は広袖を借りて手足を伸ばし、打縦いでお茶菓子の越の雪、否、広袖だの、
秋風だの、越の雪だのと、お愛想までが薄ら寒い谷川の音ももの寂しい。 湯上りで、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
さあ、) とは云ったがどうも請合いかねる。……明白に云うと、この上降続いちゃ、
秋風は立って来たし、さぞ厭き厭きして、もう引上げやしまいか、と何だかそれが寂しか....
「作画について」より 著者:上村松園
菱田春草 木蘭 横山大観 花ざかり 上村松園
秋風 水野年方 秋山喚猿 鈴木松年 秋草 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
りの間の軒下の土間に下りた、蔵人は踏留まるがごとくにして、勇ましく衝と立ったが、
秋風は静々と町の一方から家毎の廂を渡って来て、ちょうどこの小さな散際の柳を的に、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
と正反対にして、四月は中秋の期節なり。 夢ならぬ世にも夢かと思ふかな、卯月の末に
秋風ぞふく 晩に至り風力ようやく加わり、これに逆行して進む。ゆえに船少しく旋動....