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秒
「秒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
を次ぐのに躊躇《ちゅうちょ》した。
しかし言葉が途切《とぎ》れたのは、ほんの数
秒の間《あいだ》である。男の顔には見る見る内に、了解の色が漲《みなぎ》って来た。....
「影」より 著者:芥川竜之介
いる事は、時々彼があたりへ投げる、気違いじみた視線にも明かであった。
苦しい何
秒かが過ぎた後、戸の向うからはかすかながら、ため息をつく声が聞えて来た。と思うと....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いても、いろいろのものの飛んでくるのはよけないわけにゆきません。従ってつまり二三
秒置きにせっかくの態度も変わったわけです。しかしとにかくだいたいとしては大音楽家....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
彼女は思わず息を呑んだ。が、声だと思ったのは、時計の振子《ふりこ》が暗い中に、
秒を刻んでいる音らしかった。
「御止し。御止し。御止し。」
しかし梯子《はしご....
「女」より 著者:芥川竜之介
、蕊《しべ》の下にひそんでいる蜜へ嘴《くちばし》を落していた。
残酷な沈黙の数
秒が過ぎた。
紅い庚申薔薇《こうしんばら》の花びらは、やがて蜜に酔《よ》った蜂....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
》わせた。それから青黒い液体を吐いた。
「お母さん。」
誰もまだそこへ来ない何
秒かの間《あいだ》、慎太郎は大声に名を呼びながら、もう息の絶えた母の顔に、食い入....
「早春」より 著者:芥川竜之介
ものはない。たまに看守や観覧人に遇《あ》っても、じろじろ顔を見られるのはほんの数
秒の間だけである。……
落ち合う時間は二時である。腕時計の針もいつのまにかちょ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
う余地のない頬笑《ほほえ》みを浮かべた？ が、それは掛《か》け価《ね》のない一二
秒の間の出来ごとである。思わず「おや」と目を見はった時には、少女はもういつのまに....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
まぎ》れもないお敏だろうじゃありませんか。二人は思わず顔を見合せると、ほとんど一
秒もためらわずに、夏羽織の裾を飜《ひるがえ》しながら、つかつかと荒物屋の店へはい....
「或る女」より 著者:有島武郎
一人はわざと船じゅうに聞こえ渡るようなくさめをした。抜錨《ばつびょう》の時刻は一
秒一
秒に逼《せま》っていた。物笑いの的《まと》になっている、そう思うと葉子の心は....
「或る女」より 著者:有島武郎
地の行くえを尋ねあてる事はちょっとむずかしい。
それからというもの葉子の心は一
秒の間も休まらなかった。もちろん今まででも葉子は人一倍心の働く女だったけれども、....
「星座」より 著者:有島武郎
ぐるま》や槓杆《てこ》の簡単な機械が、どろどろに埃《ほこり》と油とで黒くなって、
秒を刻みながら動いていた。四角な箱のような機械室の四つ角にかけわたした梁の上にや....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
み打ち込む波濤と戦いながら配縄をたくし上げにかかったけれども、吹き始めた暴風は一
秒ごとに募るばかりで、船頭はやむなく配縄を切って捨てさせなければならなくなった。....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
何の位早く打つかを算えて居た。而してヤコフ・イリイッチが更に語を次いだのは、三十
秒にも足らぬ短い間であったが、それが恐ろしい様な、待ち遠しい様な長さであった。 ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
モオルは※鼠と云う英語だった。この聯想も僕には愉快ではなかった。が、僕は二三
秒の後、Mole を la mort に綴り直した。ラ・モオルは、――死と云う仏....