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秒針
「秒針〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秒針の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
礼をして席についた。博士の右手が、スルリと伸びて、衣嚢の時計にかかった。博士は、
秒針の動きを、じっと眺めている様子である。椋島技師は、ゴクリと唾をのみこんだ。博....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
動において――おれはすこし心配だった。それで回転速度をきわめてすくなくした。人は
秒針の運動はよく認識することができる。しかし、
秒針の運動でもちょっとみた瞬間には....
「観画談」より 著者:幸田露伴
ジッと時計の文字盤を見詰めたが、遂に時計を引出して、洋燈の下、小机の上に置いた。
秒針はチ、チ、チ、チと音を立てた。音がするのだから、音が聞えるのだ。驚くことは何....
「木魂」より 著者:夢野久作
。 彼はその8の処に固まり合っている二本の針と、チッチッチッチッと廻転している
秒針とを無意識にジーッと見比べていた……が……やがて如何にも淋しそうな……自分自....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
はちょっと小首をかしげて考え込んでしまう。実物を出して見ると、六時の所はちょうど
秒針のダイアルになっているのである。 こういう認識不足の場合はいいが、認識錯誤....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
っている者もある。 しかし山岸中尉は平気な顔で、計器盤にはめこんである、時計の
秒針の動きを見つめている。 そのときだった。前方に一大|閃光が起った。と、その....
「狼疾記」より 著者:中島敦
思出したのだろう? 料理店の白い壁には大きな電気時計が掛かっていて、黄色い長い
秒針が電燈の光を反射させながら、無気味な生物のように廻転している。容赦なく生命を....
「魔都」より 著者:久生十蘭
んで一斉に鶴の口元をみまもる。咳《しわぶき》一つする者はない。壇上の博士は時計の
秒針を覗き込みながら今正に片手を挙げて九時十二分の合図をしようとする、息詰るよう....
「予言」より 著者:久生十蘭
を合図に、三鞭酒をみなの頭にふりかけて、おめでとうをいうんです。私がここにいて、
秒針を数えますから、「さあ」といったら射ってください。硝薬だけで、弾丸は入ってい....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
のびより、不意討《ふいうち》をやろうとするのである。 スミス少佐がじっと時計の
秒針を見ている。一秒、二秒、三秒、五秒――二十秒。 「艇長、もう敵の頭の上へ来た....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
でいた巡査たちは、再び三階の燈火に異変が起るのを待ちながら、固唾を嚥んで、時計の
秒針を胸に数えていた。 旗岡巡査は、暗い窓口から内へ顔を退くと、跫音しずかに運....