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「秘める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秘めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蒲団」より 著者:田山花袋
。そして一たび男子に身を任せて後の女子の境遇の憐むべきを思い遣った。自然の最奥に秘める暗黒なる力に対する厭世の情は今彼の胸を簇々として襲った。 真面目なる解決....
丹下左膳」より 著者:林不忘
息を絶ったという、伊賀の暴れン坊とは惜しい未勝負のまま。 あの、柳生の大財宝を秘めるというこけ猿《ざる》の茶壺だけは、永遠の疑問符だ。いまだに、どこかの古道屋....
丹下左膳」より 著者:林不忘
す。日光御造営に大金のいる日は、刻々近づいてくる。早くこけ猿をさがしだして、その秘める埋蔵金の所在《ありか》を解かねば、殿は切腹、お家は四散しても、追っつくこと....
運命のままに」より 著者:豊島与志雄
た。英子は自分の内心をかばうような態度で私に接した。私も自分の心をじっと胸の奥に秘める外仕方がなかった。 「私はあなたの幸福を祈っています。」そんなことを私はい....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
フィストフェレスであつたが、いくつ買つても忽ちふくらんでしまふ大きな財布をどこへ秘めるかといふ最も不機嫌な心労によつて、更にひねもす不快になるのであつた。 あ....
我が教育の欠陥」より 著者:新渡戸稲造
は信ず、人の衷心、聖の聖なる裡《うち》に、神性ありて、これのみ能《よ》く宇宙間に秘める神霊を認識し、これを悟覚するを得るものなりと。物質界に於てすらも、高尚なる....
私本太平記」より 著者:吉川英治
死な御助力でございました。そこでついに光厳上皇の御院宣を拝受いたし、それを肌身に秘めるやいな、てまえが京を立つ日と同時に、賢俊御坊と薬師丸のふたりも、讃岐へもど....