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「秘奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秘奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
厳あることも、あるいは槍ヶ岳以上(甲州駒ヶ岳から見て)とも思われるが、山また山の秘奥にあって、上高地温泉のような好適な登山地点を有していないために、今日でも登る....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
と青とで彩られた、臓腑骨節の精緻な絵図を見ると、彼はそこに人体についてのすべての秘奥が、解き明かされてあるように思われた。その絵図と絵図との間に走っている、模様....
食魔」より 著者:岡本かの子
市中の名料理へ飲食に連れて行った。彼は美食に事欠かぬのみならず、天稟から、料理の秘奥を感取った。 そうしているうち、ふと鼈四郎に気が付いて来たことがあった。こ....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
れ、融通無碍しかも確固たる信念を失うこと勿れ。馬券の奥堂に参ずるは、なお剣、棋の秘奥を修めんとするが如く至難である。 一、一日に、一鞍か二鞍堅い所を取り、他は悉....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
的な沈黙がつづいた。そのなかで、高く着物を押さえた女たちが、卓子から卓子へ移って秘奥をつくし、男たちはすべて、誰もかれも無関心らしく頬杖なんか突いていた。じっさ....
形態について」より 著者:豊島与志雄
キー公爵夫人の上唇やそのむく毛の域にまで出てゆくことにある。――この最後の芸術的秘奥に於ては、文学者も美術家も同じであろう。それはロダンのバルザック像のようなも....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てる思想を、人からも知られずまたおそらくみずからも知らないで去っていったこの魂の秘奥《ひおう》を、どんなにか読み取りたかった! しかしこの魂自身は、そういうこと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
甘んじなければならなかった。すなわち、内心のおののきを盛りこんだ芸術を、内生活の秘奥を託した音楽を、娯楽用として――あるいはむしろ、退屈払いもしくは新しい退屈事....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ています。その学問と資格こそ、彼女らの考えによれば、彼女らを解放し、未知の世界の秘奥を開いてくれ、彼女らを男子と同等ならしむるものであります……。 もちろんそ....
探偵小説を截る」より 著者:坂口安吾
小説界の知性の貧困というものは言語道断と申さねばならぬ。 犯罪という人間心理の秘奥について物語を作りながら、くだらぬ学術をふりまくばかりで、人間そのものについ....
握った手」より 著者:坂口安吾
タンのように見受けられたのである。そのアゲクとして彼女はすでに天眼通の如くに胸の秘奥を見当てる力があるらしいと脅威する向きもあり、その反対に、彼女が心理学に凝っ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ンスが本場なのだそうだ。 しかし、要するに占術というものは、占う術の公式の中に秘奥があるわけではないようだ。易の卦にしてもそうだ、ゼイ竹をくって卦をみる。その....
巷談師」より 著者:坂口安吾
ということ)で観戦記をかいているわけではなく、腕に覚えの特技によって心眼するどく秘奥を説く人々である。観戦士というべし。私のは、ハッキリ、観戦屋。 私は腕に覚....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
という四十がらみの坊主が参謀についている。禅から天台、真言と三宗を転々、いずれも秘奥をきわめて仏教に絶望したという。文覚以来絶えてない那智の荒行をやって、十幾た....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
たように見えるこの哲学者たちが、それこそ奇蹟を完成したのです。この人たちは自然の秘奥にどこまでも入りこみ、眼につかないところまでそれがどんなふうにはたらいている....