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秘法
「秘法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秘法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ルカッタ生れの愛国者で、同時にまたハッサン・カンという名高い婆羅門《ばらもん》の
秘法を学んだ、年の若い魔術《まじゅつ》の大家なのです。私はちょうど一月ばかり以前....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
とも思われるほど、長い長い間続いた後で、とうとうお敏は苦心の甲斐もなく、あの婆の
秘法の穽《あな》に陥れられてしまったのでしょう。うす暗い裸蝋燭の火がまたたく中に....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
《ブラッドワアト》の葉を一枚、麦酒《ビイル》にまぜて飲むと、健康を恢復すると云う
秘法を教えてやったそうである。次いで、前に云ったムウニッヒを過ぎて、再び英吉利《....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
けてようよう十九の彼は、ほかの故参の弟子どもを乗り越えて、やがては安倍晴明以来の
秘法という悪魔|調伏《ちょうぶく》の祈りをも伝えらるるほどになった。彼は泰親が秘....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
と――概して後者――があると同様に。と言っても、立派な茶をたてるのにこれぞという
秘法はない、ティシアン、雪村のごとき名画を作製するのに何も規則がないと同様に。茶....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の糧米と、一羽の赤い雄※と、一升の酒とを或る蛮人に贈って、生きながら虎に変ずるの
秘法を伝えられたのであった。 雷車 東晋の永和年中に、義興の周という姓の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
上をたたきつづける。
「この大魔術に、なんという名前を、つけますかねえ。ええと、
秘法公開、空中消身大魔術! どうです。なかなかいい名前だ」
佐々刑事は、ひとり....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
づてですがな。せつかく御酒を一つと申されたものを、やけな御辞退で、何だかね、南蛮
秘法の痲痺薬……あの、それ、何とか伝三熊の膏薬とか言う三題|噺を逆に行ったような....
「露肆」より 著者:泉鏡花
あすソ。それ利くであしょ。」と嘗め廻す体に、足許なんぞじろじろと見て商う。高野山
秘法の名灸。 やにわに長い手を伸ばされて、はっと後しざりをする、娘の駒下駄、靴....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
効能が行渡るんでございますがね、こればかりは看板を掛けちゃ売らないのですよ。一家
秘法の銀流、はい、やい、お立合のお方は御遠慮なく、お持合せのお煙管なり、お簪なり....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
右の婦人が登山されたものと見えますな――但しどうやら、貴辺がその鮨を召ると、南蛮
秘法の痺薬で、たちまち前後不覚、といったような気がしてなりません。早く伺いたい。....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
いるのが耐えられぬ苦痛。それに又一方に於て、洞斎老人から伝授された奇薬を遣っての
秘法をば、実地に行って見たくてならなかった。 霧隠れ雲隠れの秘薬、かつてこれは....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
る、形ない、形ある病疾、形ない悪業、罪障、それを滅するこの灸の功力ぞに。よって、
秘法やぞに。この法は、業病難病、なみなみならぬ病ともまた違うて……大切な術ゆえに....
「妖怪学」より 著者:井上円了
らず識らず微声を発して、これに誦和すると同一理なり。 手の先より細糸を引き出す
秘法 俗間に伝わるところのいろいろの奇怪ある中に、糸引きの
秘法と申すものあり。糸....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
い肺病と神経衰弱にかかって命も危うくなり、山城の白河の白幽道人というのから内観の
秘法を授かってやっと助かったり、美濃の岩滝の山中に入り一日半掌の米を食として幻覚....