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秘説
「秘説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秘説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
などは Sehnsucht の色合の全体を写し得るものではない。ブートルーは「神
秘説の心理」と題する論文のうちで、神
秘説に関して「その出発点は精神の定義しがたい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
論法を続けると、苦行僧に幻覚の統一が起ってくると云うのだ」と法水は彼に似げない神
秘説を吐いたが、云うまでもなく、奥底知れない理性の蔭に潜んでいるものを、その場去....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
辺元博士等が批評する通りだろう。神秘主義でない西田哲学は、その論理に於て却って神
秘説に帰着する。だが、だからと云って之を宗教的だと断定することは、卑俗な速断と云....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
をも蔑せず。しかる内近村に久しく行商を営み、諸方の俗伝に精しき老人この件に関して
秘説を持つと聞いて少しも躇《ためら》わず。人の命は雨の晴れ間を待つものかと走り行....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
伝説をようやくに事実の方へ近づけてきます。 奈良田の皇居ということは国史以外の
秘説であります。 奈良王この地に御遷座ありしという伝説は、ここにお徳の口から伝....
「科学論」より 著者:戸坂潤
系のメカニズムに訴える形式主義(ヒルベルト)とになって現われている。直観主義の神
秘説と形式主義の機械論の矛盾対立を止揚し得るものは、他ならぬ弁証法であるべきだが....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
だし、又神秘主義的に云っても決して上手な云い表わしではないが、無とは元来そんな神
秘説的な範疇ではない筈なので、全く物質的な・唯物論的な・範疇、物質それ自身に他な....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
喚き立てないのか、理由が判らない。真理は直観的に判定出来るとする一切の直観説・神
秘説(その内にはスコットランド常識学派もケンブリッジ・プラトニストやシャフツベリ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
論を本当に克服したものは却って正に唯物論に他ならぬ唯物弁証法だった。生の哲学や神
秘説やは、機械論の角を矯めるために、論理の牛を殺して了ったものだが、機械論の方は....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を契約するためには、焼けることを信ずる必要は別にない。 病身なオリヴィエは、神
秘説への傾向をもっていた。彼はときとすると、もう自分が存在しないように思われるこ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
淵《しんえん》の上につるしておく、宗教上の純理主義であった。なぜなら、あらゆる神
秘説と同様に議論の余地ある、一つの先入見《ア・プリオリ》から出発していたからであ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
唱えていた。夢想の扉《とびら》は開かれていた。諸宗教のあとにつづいて、接神論や神
秘説や秘教や魔法などの息吹《いぶ》きが西欧の頭脳を訪れていた。哲学も揺らめいてい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
それらの問題を指示するに止めよう。
宇宙|開闢《かいびゃく》論的見解や夢想や神
秘説などを外にして、社会主義者らが提起する問題のすべては、二つの主要なる題目に帰....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
の『本草|訳説《やくせつ》』(内題は『本草綱目訳説』)には「恕菴《じょあん》先生
秘説(蘭品)ニハ山海経ノ薫草ヲ和ニ麝香草ト称ルモノニ充ツ未的切ナラズ麝香草ハ生ニ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
は古今伝授である。元来歌道の意識が成立し、歌の家が出来ると、随ってまた家伝の文書
秘説といったものが尊ばれるようになってきた。この意識は阿仏にも為世にも言葉の節々....