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租
「租〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
租の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
》などと言うやつは月収一万元を越していたんだからね。こいつは上海《シャンハイ》の
租界の外に堂々たる洋館を構えていたもんだ。細君は勿論、妾《めかけ》までも、………....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
る亜米利加《アメリカ》人のオオクションである。俺はあのオオクションへ行った帰りに
租界《そかい》の並み木の下《した》を歩いて行った。並み木の槐《えんじゅ》は花盛り....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
また約三分の一だけに限られている事実や、国民の最大多数の食事を制限している高率の
租税《そぜい》の費途《ひと》なども目撃している。およそこれらのごく普通な現象も、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
しきれない程、興奮の慄えを帯びていたのだった。 「本日午後五時半、上海市の共同|
租界内で、我が滝本総領事が○国人の一団により、惨殺されましたお話であります。 ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
久保や雑司ヶ谷に閑居して電車の便利を難有がってばかりはいられなくなる。富の分配や
租税の賦課率が文人の旁ら研究すべき問題となって、文人の机の上にはイブセンやメエタ....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
さって、椅子とともに転がった次第である。 後日の調べによると、その日のうちに、
租界の中だけでも、三千百四の柱時計がめちゃくちゃに解体されたそうで、そのほか黄浦....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
しく、だんだん懇意になって話してみると、一人は挙人老爺の先々代に滞っていた古い地
租の追徴であった。もう一人は何のこったか好く解らなかった。彼等は阿Qにわけを訊く....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
来ないと被仰るのか。兄さん、あなたがやればきっと出来ると思う。こないだ小作人が減
租を要求した時、あなたが出来ないと撥ねつけたように」 最初彼はただ冷笑するのみ....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
人もそれがため二度と留学することが出来ず、上海《シャンハイ》に帰って来て、後には
租界監獄の中で死んだが、君はもうとうに忘れてしまったろうな。 四五年経つと家の....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
られたら、幸福な家庭はすぐに不幸な家庭になってしまう。そうかといって上海、天津の
租界へ置けば家賃が高い。じゃ外国へ置くとしたらいい笑い話だ。雲南、貴州は交通があ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
直に政府に抗せんとし、すでにその用意に着手したるものもあり。 また百姓の輩は地
租改正のために竹槍席旗の暴動を醸したるその余炎未だ収まらず、況んや現に政府の顕官....
「競馬」より 著者:犬田卯
まった。 競馬は春秋二季、あたかも農閑期に、いくらかの現なまが――たといそれは
租税やなんかのためには不足だったにしても――村人のふところへ宿かりした時分にあっ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
てしまって、その畦や畑境へ無茶な植林でもされた日には……何となれば連中とて今度は
租税が出るのだから、ただ放置するはずがない。しかしそれこそ取りかえしのつかぬこと....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
珍しくない存在である。彼らは別にその日その日の食物に困っているのでもなければ、公
租公課の負担に押しつぶされてしまっているわけでもないのだ。ただ、身上をふやしたい....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
亜ホテルに落着いた。それから皆と一緒に上海の街を自動車でみてまわることになった。
租界の外なぞもみてまわった。 上海素描 上海というところをずっ....