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「秦皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秦皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
の支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端にせっせとポンプを動かしていた。僕は秦皮樹《とねりこ》のステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。 「そっちから上っ....
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
ん、ここから見ると舟津はじつにえい景色だね!」 「ヘイ、お富士山はあれ、あっこに秦皮の森があります。ちょうどあっこらにめいます。ヘイ。こっから東の方角でございま....
朴の咲く頃」より 著者:堀辰雄
もなんにもない、瀟洒《しょうしゃ》な庭を少し恨めしそうに見やりながら、いつまでも秦皮《とねりこ》のステッキで砂を掘じっていた。 まあそれも仕方がなかろうと思っ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はむしろ、まったく中流人的な――軽侮の念を、二人は母から受けていた。オリヴィエは秦皮《とねりこ》の枝の間に登って、不思議な話を読みながら日を過ごした。愉快な神話....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼が着いたとき、彼らは庭に出ていて、夏の暑い午後を、丸|傘《がさ》のように茂った秦皮《とねりこ》の下でうつらうつらしていた。手を取り合って青葉|棚《だな》の下で....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
なで回した。ちょうどその疣を一々見調べて数えようとしてるがようだった。 それは秦皮《とねりこ》の木であったが、それと向き合って一本の栗の木が立っていた。皮がは....
髪あかきダフウト」より 著者:マクラウドフィオナ
宝があった、黒い軍馬とましろい皮膚の女と。女は藍いろの湖のような眼を持って、野の秦皮樹《とねりこ》の赤銅いろの実のように赤い髪をながく房々と垂らして、クリームの....
約束」より 著者:マクラウドフィオナ
たミッスルトオのほそ枝を払いのけた。そのとき足の下で物音がした。見ると、ほそ長い秦皮《とねりこ》の枝が二つに割れていた、そして彼の足がそこに横になって眠っていた....